わたあめ ページ17
-上杉side-
「おい、あいつ誰?仲良いのな。」
「あ、いや、その、夕はただ。。。 友達だから、友達!」
「あ、そう。」
無駄にパニクったのが、なんだか気に食わない。
ぶっきらぼうな返事に反応し、立花は口を開いた。
「ほんとに、ただ、あの。。。 上杉君と同じ関係だから、ね?」
その言葉に、胸がきゅーと、締め付けられた。
それ、どういう事だよ。
俺らは、小学生の頃から一緒にいたじゃねーか。
なんであんな奴と一緒にされなきゃいけねーんだよ。
。。。まあ、彼女じゃないからな。
悔しかった。
立花にとって、俺は、ただそれくらいの存在だったのかよ。
あ、いけねー。
このままじゃ、せっかくの夏祭りが台無しじゃねーか。
左手の拳を緩めて、顔をあげると、わたあめの屋台があった。
「おい、彩、わたあめ食べね?」
右を見ると、凄くびっくりした様子で突っ立っていた。
「どうかしたのか?」
「あ、いや、ただ、上杉君が、彩って呼んだから。。。初めてだなあって。。」
やってしまった。。。
「あ、ごめん、俺、あの。 ほんと、ごめん」
「初めて」っていったけど、家で、たまーに、ごくまれに、一人のときに、「彩」って呟いていることは、口が裂けてもいえない。
「別に、いいよ。皆そう呼んでるし。それに、私。。。彩って呼ばれる方が好き。。。だし」
照れたようにそういう立。。。彩をみて思わず心臓が飛び跳ねる。
頬を少し赤く染めて、うつむいているのが、たまらないほど可愛い。
「すき」っていう言葉出すとか、こいつ、俺の理性を試してんのか?
絶対狙ってるだろ。
いや、彩は、そんな奴じゃねーな。
いままで、彩って呼ばなかったのはただ。。。
はぁ。
本当は、ずっと呼びたかったのかもしれない。。。
俺、素直じゃないんだよな。
昔から、そうなんだ。
自分でもわかってんだ。
こんな俺は、彩、お前は認めてくれるのだろうか。
「わかったよ、彩。」
「ありがとう!」
そしてこの子は、天使のように微笑んだんだ。
顔を赤く染めて、うつむくのは、俺の番だった。
「で、なに色がいーの。」
「んーと、ピンク!」
「じゃあ、行こーぜ、買ってやる。」
「やったー!嬉しい!」
俺は、繋いでいた手を、一度離し、もう一度繋ぎ直した。
。。。。。
指を絡めて。
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黒木玲奈
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黒木玲奈(プロフ) - 夏蜜柑さん» そうですね、書いてるときも思うほどです。wありがとうございます!頑張ります! (2018年8月25日 21時) (レス) id: 267fae23b3 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - 上杉君カッコイイ アーヤ自分の気持ちに素直になって!と思っていました更新頑張ってください応援しています (2018年8月25日 20時) (レス) id: fa082eb104 (このIDを非表示/違反報告)
黒木玲奈(プロフ) - *suzu*さん» 楽しんでいただいてるようで、幸いです!ありがとうございます、作者一同頑張ります!これからも、どうぞ夏色をよろしくお願いします。 (2018年8月25日 11時) (レス) id: 267fae23b3 (このIDを非表示/違反報告)
*suzu* - すごくドキドキさせてくれるお話です!榛名くん, 上杉くんがカッコいい!これからの展開が楽しみです。まだまだ暑いですからお体に気をつけて更新頑張ってください。 (2018年8月23日 11時) (レス) id: a962bd5f54 (このIDを非表示/違反報告)
橘綾(プロフ) - 茉莉さん» コメントありがとうございます!そういっていただけて作者一同、大変うれしいです!皆様の期待に添えるよう、頑張ります! (2018年8月11日 18時) (レス) id: 785a5fde57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:上杉奏&美門智&橘綾&黒木玲奈 x他3人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aishou_kz
作成日時:2018年4月10日 21時