王子様 ページ16
______「は?」
あれ?やっぱり違う…?
不安になった私は夕に疑問を投げ返した。
「あの…違った?」
そう言った私をぼんやりと夕は見つめている。やっぱり違ったんだろうか…
「夕?」
「ん?ああ、悪い。何でもねーよ、気にしないで。」
おずおずと聞いた私を安心させるような言葉を返してくれた夕だったが、その瞳はなぜか寂しそうに見えた。
普段から鈍感だの天然だの最強だの言われてる私だからもっぱら理由はわからない。
「ほんとに?」
「なんもねぇーって、気にすんな!」
夕はそういいながら私の頭をクシャっと撫でた。
「ちょっと!何するの!」
せっかく頑張ったのに…
「やっば、彩の髪超ぼさぼさ!結び直さなきゃダメじゃね?あーっ、腹よじれるっ…!」
「ひどい!もう知らないからっ!...せっかく頑張ったのに。」
そうは言うけど夕のいつものちょっぴり若武に似ている眩しい笑顔に戻ってよかったな、なんて思う。
若武に言ったら「俺の方がカッコいいに決まってるだろっ!!」って怒りだすのが目に見えてるから言わないでおこっと。
やっぱり夕のことは友達として大事なんだなって改めて思った。
***
そろそろ上杉君が来る時間かな?
上杉君が来るってことを意識したら急に緊張する…。
夕が何か私に言ってるけど全く入ってこない。
でもなんでこんなにドキドキするんだろ。
とにかくドキドキする…
「で、今更だけどなんでここにいんの?誰かと待ち合わせ?あ、あれか?もしかして男?」
少しニヤニヤしながら待ち合わせの相手を聞かれてギョッとした。
「へっ?!あ、あーうん。えっと、そう!待ち合わせ。」
私多分すっごくテンパってると思う。
「へー、なんでそんな慌ててんだよ。」
怪訝な目で見られてる
「別にそんなんじゃないから。」
「なあ、彩。俺恋愛感情としてお前のこと好…」
「悪い、待たせた。」
わあ
全身浴衣に身を包んだ上杉君はとってもカッコよくて王子様みたいだ。
「う、ううん。大丈夫だよっ。」
やばい、緊張マックス!
「ん。」
と言って手を出された。
ん?なんのことだろ。
「っあー。手、出せよ。お前どうせ転ぶんだろ?」
うわー、今日生き延びれないかも。
「じゃあ、あのお願いします。」
はっ!忘れてた。
「ごめん、夕。何?」
「いや…。楽しんでこいよ。」
はて?
「おい、あいつ誰?仲良いのな。」
ーーー
美門智
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黒木玲奈(プロフ) - 夏蜜柑さん» そうですね、書いてるときも思うほどです。wありがとうございます!頑張ります! (2018年8月25日 21時) (レス) id: 267fae23b3 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - 上杉君カッコイイ アーヤ自分の気持ちに素直になって!と思っていました更新頑張ってください応援しています (2018年8月25日 20時) (レス) id: fa082eb104 (このIDを非表示/違反報告)
黒木玲奈(プロフ) - *suzu*さん» 楽しんでいただいてるようで、幸いです!ありがとうございます、作者一同頑張ります!これからも、どうぞ夏色をよろしくお願いします。 (2018年8月25日 11時) (レス) id: 267fae23b3 (このIDを非表示/違反報告)
*suzu* - すごくドキドキさせてくれるお話です!榛名くん, 上杉くんがカッコいい!これからの展開が楽しみです。まだまだ暑いですからお体に気をつけて更新頑張ってください。 (2018年8月23日 11時) (レス) id: a962bd5f54 (このIDを非表示/違反報告)
橘綾(プロフ) - 茉莉さん» コメントありがとうございます!そういっていただけて作者一同、大変うれしいです!皆様の期待に添えるよう、頑張ります! (2018年8月11日 18時) (レス) id: 785a5fde57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:上杉奏&美門智&橘綾&黒木玲奈 x他3人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aishou_kz
作成日時:2018年4月10日 21時