ヒャクジュウニ ページ23
そろそろ日も落ちてきた頃、出し物に終盤が迫る。屋台は売れ残った物を食べたり友達に配ったりしていた。
夕暮れのオレンジと紫の混ざる空に花火が打ち上がる。
建てられた舞台に下からのスポットライトが照らす、私はそれを皆と眺めていた。
『ねえ、あんなのプログラムにあったっけ？』
そう聞くと、先程合流したロボロ君がプログラムを見ながら首を横に振った。
「いや、無いなぁ」
『やんねぇ…』
周りを見渡せばみんなが驚いたふうに舞台を見つめていた。
舞台のスピーカーから音が漏れ出す。
《すぅ…ガキ共ー！盛り上がってるかァー！》
舞台に上がったのは、まさかの保健室の美魔女でありゾムの叔母様、仮にも教育者がそんな発言いいのかと疑問に思うがまぁあの人のキャラ的に合っているからいいか。
白衣を靡かせ、茶髪を揺らしながら先生はニヒルに微笑む。
《さて、只今思春期真っ最中の少年少女諸君、家族や恋人、友人に秘密にしていることはさぞ多いだろう。てなわけで！本日より、この大勢の前で発表する機会を与えようと思う！！
勇気を振り絞り秘密を打ち明けられる勇者は急ぎグラウンド中央まで！！
んふ、ついでに私も言っておくわ。
私に憧れてる一部の生徒、諦めなさい？
私、こう見えてもうすぐご、じゅ、うなのよ》
軽々と男子高校生の夢を破壊し鼻歌を歌いながら舞台を降りる先生、私の隣には目と口を大きけ開いて驚く鬱さんと、お姉様…！とうっとり眺めるチーノくん
そういえばチーノくん年上好きって言ってたなぁ…
まさか
『…打ち明けの場かぁ…鬱さん行ってくる？』
「なんで？」
『そろそろ女の子と付き合い過ぎなのではとトントン先輩が言っておりました。』
鬱さんは目を背け飲みかけのフラペチーノに口を付ける。
「…俺は24人ではまだ収まらへんで」
キリッと格好をつけるも「24股じゃもの足りねえ」と言ってるようなものである。Aはいつか倍の数になってそうだなと思いながらフランクフルトを頬張った。
「あ、始まるみたいやで」
ロボロさんの声に舞台を再度見ると、見知った人がそこに立っていた。彼もなにか打ち明けるのだろうか、彼をよく知るA、鬱、ロボロ、チーノは舞台に立つ彼に驚いていた。
「…え？」
「なんであいつが…？」
「え、めっちゃおもろいんやけど」
『何発表するんやろ…シャオロンさん』
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サラミ - 一気読みさせていただきました!!最高です。ありがとうございました!! (2022年8月3日 10時) (
レス) @page30 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
ネミ - 読み終わった時めちゃくちゃ泣いました！本当に面白い作品をありがとうございます！弦生夏様のご活躍を願います！ (2021年8月27日 16時) (レス) id: 6a4c48ebc2 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - （続き）最高の時間でした。感謝してもしきれません。「視えてます」もこの作品の前に読みまして、間違いなく「勘違いすれ違い」が大好きになった原因は弥生夏様のお陰ですw 今後も応援させていただきます！最高の時間、ありがとうございました！ (2021年7月25日 19時) (レス) id: 9dbbda50e8 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 読了しました！完結おめでとうございます！勘違いから生まれるすれ違いが毎回濃くて面白くて、かと思えば私に無い面白い考え方が幾つも出てきて、展開も最高で飽きず、最後まで楽しく読めました！個人的に、この作品のお陰で気付けた自分の気持ちも幾つかあり、（続く） (2021年7月25日 19時) (レス) id: 9dbbda50e8 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 誤字の報告です。106の初めの方、「に聞くわない」じゃなく「気に食わない」じゃないですかね……？ (2021年7月25日 19時) (レス) id: 9dbbda50e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生夏 | 作成日時：2020年6月1日 21時
