210〈ヒカリを〉 ページ46
side,kota
大貴「俺...あの時、櫻井先生に押されて家に行ってさ」
雄也「そうだったの?」
大貴「そりゃもう嵐みたいで、知らないうちに車に乗せられて誘拐されてる気分だった。」
ははっと大きく口を開けて笑うと、つられてみんなが笑った。
大貴「でもよかったよ。みんなに会えてなかったらこんな幸せだって思わなかったかもしれない。」
光「俺もだよ。急に薮と高木に来いって言われてさ。とりあえずでついてきたけど...なんだかんだ楽しかった。」
宏太「あんだよそれ、今日で終わるみたいじゃねぇか。」
雄也「でも今日でひと段落ついた感じだしそれもいいんじゃない?」
慧「うん。」
宏太「じゃあこれから第二章か?」
大貴「第三章くらいじゃない?」
光「なんにもなくつまらない生活を続ける俺たちの話しな。」
雄也「そこは楽しい生活にしてよ。」
話している間に夕日は沈み暗くなる。
キラキラと光る水面、風で揺れる草木。
夏の虫の音が心を落ち着かせる。
宏太「今までさ、いろんなことがあったけど...俺はいろんなことを一緒に乗り越えようともがくことのできるお前らがいてよかったよ。」
光「元からそういうこと言ってたけど?」
雄也「感傷に浸りたいんだよ」
馬鹿にしてんのかと冷たい目を向けると、高木が笑った。
雄也「じゃあ俺はこの家の大黒柱の薮くんを支える右腕にでもなろうかな。」
大貴「じゃあ俺はこの家の勇者!」
光「マスコットの間違えだろ。」
慧「慧は?」
宏太「天使。」
雄也「揺るがないね...」
光「しょうがねぇ、俺はサポートでもしてやる。」
光は呆れたように笑うと俺を見た。
大ちゃんも慧も高木も俺を見る。
『そばにいるよ』と言われているような温かいその笑顔に、俺は甘えて生きる。
光「そろそろ帰るか。」
雄也「帰りは俺が運転するよ」
大貴「俺でもいいよ?」
慧「慧も!」
光「慧は運転できません。」
愉快に笑いながら立ちあがり車に向かった4人の背中を見て笑う。
いつまでもそばにいて、俺の
「いい友達を持ったのね」
風にのって耳に届いた声。
急いで振り返った砂浜には、あの日しんだ俺の両親が俺に笑いかけていた
...そんな気がした。
end。
1448人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華代(プロフ) - はじめまして。 一気読みでしたが、素晴らしい作品で、感動しました。 また初めから読んでみたいと思います。本当にお疲れ様でした! (2021年2月4日 18時) (レス) id: d952e3b0da (このIDを非表示/違反報告)
まる - 今までお疲れ様でした!俺らシリーズ含め猫チャロさんの作品が大好きです。占ツクから離れた時期もこの作品だけは思い出しては読み返していました。完結まで書いて頂き感謝しかありません。この作品に出会えたことを幸せに思います。 (2020年8月6日 4時) (レス) id: 9463c2f9d9 (このIDを非表示/違反報告)
You(プロフ) - チャロちゃん居なくなってごめん。影でずっと見てたよ。今までおつかれ様でした!悠樹 (2020年2月14日 11時) (レス) id: 6822cd0dae (このIDを非表示/違反報告)
光音 - こんばんは。今お話読ませてもらいました。猫チャロさんのお話、大好きです。伊野尾さんのキャラ設定、私の中のどストライクでした。これからもまだ読んだことのない猫チャロさんの子供、読ませてもらいます。ありがとうございました。 (2020年1月27日 20時) (レス) id: df7638da7e (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - 今までありがとうございました。そして、お疲れ様でした。寂しいですが、猫チャロさんの子供たちを大事に大事に読み返そうと思います。このアカウントを作って活動を始めたのは、猫チャロさんのお話を読んで感動したのがきっかけでした。人生を変えてくれてありがとう。 (2019年11月15日 1時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ