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side.Kota



怒鳴る光を見ても、何も言えない。


謝ることしか出来ない。


俺には、光みたいな決断力も行動力もない。


宏太「本当ダメだな。悪い。光。」


光「分かったなら、早く動けよ。」


ギロっと睨まれて、そうだよなとごめんなと笑った。


ソファに寝た慧に近づくとタオルで顔を優しく拭く。


雄也「有岡くんがいなくてよかった。」


光「あぁ、有岡が居たらもっと大変だったわ。」


雄也「まぁこの様子だとまっすーのところ行かないとだろうし、皆で行こっか?」


光「俺も?」


雄也「もちろん。」


光「……いいけど。」


今までみんな部屋に引き篭ってたとは思えないような、自然な会話。


2人は散らばった鏡の破片を掃除し始めた。


光「まず、扉にもガラスがあるのは良くないな。結局割れてるし、扉ごと変えようか。」


雄也「心機一転リフォームでもしちゃう?」


光「そんなお金どこにあんだよ。バイトもしてないのに。」


宏太「そこは櫻井くんでしょ。」


光「お前なぁ、いつまで櫻井くんに迷惑かけるんだよ。」


いい歳してとまた睨む光。


宏太「はぁ?そんなに迷惑かけねぇよ。」


不思議に思いながら、話を続けた。


光「昔からお前ばっかり櫻井くんに迷惑かけてるだろ。俺は覚えてるからな。トマトを食べたくないとか騒いで


櫻井くんの資料にトマト飛ばしたの。」


そういえばそんな事あったな。


中学……3年くらいの時?


雄也「……なんでそんなこと覚えてるの?」


光「馬鹿だなって思ってた。子供じゃないんだから。未だにトマトは嫌いはなおってねぇけどな。」


雄也「そうじゃなくて、なんで……昔の俺達のこと覚えてるの?」


高木は動かしていた手を止め、光を見た。


俺も高木に言われて光を見る。


光「……さぁな。


薮の叫び声を聞いて?慧の叫び声を聞いて?


……嫌なことも全部思い出しちゃったんだよな。」


宏太「は!?」


雄也「……嘘でしょ。」


宏太「なんだよ!それなら早く言えよ!」


光「うるさいなぁ。慧起きちゃうじゃん。」


そんなのこの際どうでもいいよ!


起こしたいくらいだ。


詳しく聞くと、昔俺と高木が出ていったあと荒れた慧を見た時の記憶がフッと頭に過ったらしい。


こんな事昔あったなとかなんとか。


それがきっかけになって、思い出した?


それにしては、軽くないか?


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華代(プロフ) - はじめまして。 一気読みでしたが、素晴らしい作品で、感動しました。 また初めから読んでみたいと思います。本当にお疲れ様でした! (2021年2月4日 18時) (レス) id: d952e3b0da (このIDを非表示/違反報告)
まる - 今までお疲れ様でした!俺らシリーズ含め猫チャロさんの作品が大好きです。占ツクから離れた時期もこの作品だけは思い出しては読み返していました。完結まで書いて頂き感謝しかありません。この作品に出会えたことを幸せに思います。 (2020年8月6日 4時) (レス) id: 9463c2f9d9 (このIDを非表示/違反報告)
You(プロフ) - チャロちゃん居なくなってごめん。影でずっと見てたよ。今までおつかれ様でした!悠樹 (2020年2月14日 11時) (レス) id: 6822cd0dae (このIDを非表示/違反報告)
光音 - こんばんは。今お話読ませてもらいました。猫チャロさんのお話、大好きです。伊野尾さんのキャラ設定、私の中のどストライクでした。これからもまだ読んだことのない猫チャロさんの子供、読ませてもらいます。ありがとうございました。 (2020年1月27日 20時) (レス) id: df7638da7e (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - 今までありがとうございました。そして、お疲れ様でした。寂しいですが、猫チャロさんの子供たちを大事に大事に読み返そうと思います。このアカウントを作って活動を始めたのは、猫チャロさんのお話を読んで感動したのがきっかけでした。人生を変えてくれてありがとう。 (2019年11月15日 1時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:猫チャロ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年10月6日 18時

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