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side.Kota
分かりやすいように慧は壊れていった。
今じゃあ部屋からも出ようとはしない。
宏太「ご飯食べよう。」
慧「……ううん。」
宏太「お腹すいてるでしょ？」
慧「……ううん。」
夜は夢に魘され、何も見えない左目には地獄が広がってるらしい。
寝ていても起きていても何かに魘される慧。
もう、俺のことすら見えてない。
寝ながら苦しそうに声を漏らす慧の頭を撫で、隣に寝そべった。
いつも助けられなくてごめんな。
これからはいつでも助けられるようにそばにいるから
……そう誓った矢先の事だった。
朝、太陽の光がカーテンから漏れる。
ゆっくり体を起こすと、背伸びをした。
パッとみた隣には慧の姿がない。
宏太「……慧？」
小さい部屋にも慧の姿はない。
いそいで立ち上がり部屋を出ると、家中を走って回った。
いない……いない……
宏太「……いない。」
なんでだ。意味がわからない。
1人で家を出るとも思えない。
ならなんで……。
佇んだまま頭を抱えた。
震える手は少し黒く見える。
パッと顔を上げるとそこは火の海。
宏太「……え？」
やめろ。やめてくれ。
慧まで取らないでくれ。俺からもうなにも
雄也「薮くん！」
大きく聞こえた高木の声、さっきまで火の海だった目の前には焦った顔をした高木がいた。
宏太「……たかき……。」
雄也「大丈夫？息上がってるよ。……落ち着いて。」
いつの間にか膝をついていた俺の体を支える高木は、俺の顔を覗き込み背中をさすった。
宏太「……慧が」
雄也「慧くん？……慧くんなら、」
高木はお風呂場を指さす。
……さっき見たはずのお風呂場。
いいや、行くはずがないと思っていたお風呂……。
宏太「だっ、だめだ！慧！」
雄也「ちょっ……薮くん！」
『神様がいるのなら、乗り越えられない試練は与えないんだろ？』
『ならそれも、乗り越えられる試練なんじゃないのか？』
神様なんか信じない。俺は全部自分で自分の人生を……。
バリンッと大きな音と同時に叫び声が響いた。
伸ばした手はあの時と同じように
なにも守れないまま空を切った。
。
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華代(プロフ) - はじめまして。 一気読みでしたが、素晴らしい作品で、感動しました。 また初めから読んでみたいと思います。本当にお疲れ様でした！ (2021年2月4日 18時) (
レス) id: d952e3b0da (このIDを非表示/違反報告)
まる - 今までお疲れ様でした！俺らシリーズ含め猫チャロさんの作品が大好きです。占ツクから離れた時期もこの作品だけは思い出しては読み返していました。完結まで書いて頂き感謝しかありません。この作品に出会えたことを幸せに思います。 (2020年8月6日 4時) (レス) id: 9463c2f9d9 (このIDを非表示/違反報告)
You(プロフ) - チャロちゃん居なくなってごめん。影でずっと見てたよ。今までおつかれ様でした！悠樹 (2020年2月14日 11時) (レス) id: 6822cd0dae (このIDを非表示/違反報告)
光音 - こんばんは。今お話読ませてもらいました。猫チャロさんのお話、大好きです。伊野尾さんのキャラ設定、私の中のどストライクでした。これからもまだ読んだことのない猫チャロさんの子供、読ませてもらいます。ありがとうございました。 (2020年1月27日 20時) (レス) id: df7638da7e (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - 今までありがとうございました。そして、お疲れ様でした。寂しいですが、猫チャロさんの子供たちを大事に大事に読み返そうと思います。このアカウントを作って活動を始めたのは、猫チャロさんのお話を読んで感動したのがきっかけでした。人生を変えてくれてありがとう。 (2019年11月15日 1時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)
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