検索窓
今日:11 hit、昨日:5 hit、合計:124,377 hit

178 ページ23

side,Kota。



眩しくてまた目を閉じようとした時、


急に高い場所から落ちたような衝撃を感じ頭が冴えた。


慧「こーた!」


夢の中で響いていた声が近くで聞こえた。


宏太「……慧。」


やっとちゃんと見えた慧は、何故か涙をため俺のことを見ていた。


宏太「どうした?慧。」


俺の服を握ったまま、鼻を啜った慧は


声を漏らしながら泣く。


ゆっくり慧に手を伸ばし、後頭部に手を回すと


ビクっと肩が上がったのを感じる。


怖くないよと伝えるようにゆっくり、ゆっくり体を引き寄せると


俺の胸におでこを押しつけて、より一層泣き出す。


どうしたものか。


ただ泣き止むのを待つしかないのか。


布団を掛け直し、抱き枕のように慧を抱きしめたまま


目をもう一度閉じようと


閉じようとした。


慧「……けいを置いて……いかないで。」


宏太「……慧?」


夢の中にも聞こえてきたその声。


慧は半ば気を失うように眠りについていた。


“置いて行かないで。”


それは俺に向けられたものか。


事故にあいバラバラになった俺らに向けられたものか。


父親の元へ置いていった櫻井くんに向けられたものか。


それとも


父親、母親に向けられたものか。


はたまた


全員に向けられたものなのか。


179→←177



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (330 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1448人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

華代(プロフ) - はじめまして。 一気読みでしたが、素晴らしい作品で、感動しました。 また初めから読んでみたいと思います。本当にお疲れ様でした! (2021年2月4日 18時) (レス) id: d952e3b0da (このIDを非表示/違反報告)
まる - 今までお疲れ様でした!俺らシリーズ含め猫チャロさんの作品が大好きです。占ツクから離れた時期もこの作品だけは思い出しては読み返していました。完結まで書いて頂き感謝しかありません。この作品に出会えたことを幸せに思います。 (2020年8月6日 4時) (レス) id: 9463c2f9d9 (このIDを非表示/違反報告)
You(プロフ) - チャロちゃん居なくなってごめん。影でずっと見てたよ。今までおつかれ様でした!悠樹 (2020年2月14日 11時) (レス) id: 6822cd0dae (このIDを非表示/違反報告)
光音 - こんばんは。今お話読ませてもらいました。猫チャロさんのお話、大好きです。伊野尾さんのキャラ設定、私の中のどストライクでした。これからもまだ読んだことのない猫チャロさんの子供、読ませてもらいます。ありがとうございました。 (2020年1月27日 20時) (レス) id: df7638da7e (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - 今までありがとうございました。そして、お疲れ様でした。寂しいですが、猫チャロさんの子供たちを大事に大事に読み返そうと思います。このアカウントを作って活動を始めたのは、猫チャロさんのお話を読んで感動したのがきっかけでした。人生を変えてくれてありがとう。 (2019年11月15日 1時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:猫チャロ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年10月6日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。