浦島坂田船の塩なお世話係は超絶鈍感でした (ページ46)

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よんじゅういちページ46

side…skt

坂「ふんふーん♪」

鼻歌交じりに支度をする

そりゃそうやってこんなん浮かれないでいられるわけないもん!!

リビングやキッチン、自室などを駆け回りばたばたと忙しい俺らの横で、Aはぼーっとつったっとる

そんなAをみて気づいた

坂「なあ……Aまさかその格好でいくつもり？」

とたんにぴたりと動きが止まる３人

そう、今のAはスーツ姿

どこに行くにしてもこれでは仕事感が抜けない

浦「よしA、着替えてこい」

『いやさっきっからめっちゃ無茶ぶりしてきますね!?』

志「ていうかAちゃんの家ってどこらへん？」

そういやしらんな～と思い俺も話に加わる

坂「せやな、どこらへん？」

『あ～……ここから向こうに向かって15分くらいです』

セ「へー結構近いんやな」

浦「てか向こうって駅の方じゃん」

坂「じゃ、駅いく途中にAん家寄ってA着替えてくればええんやない??」

『え～……』

え～とかAの口調もすっかり元どおりやな

するとセンラがいきなり何かを思いついたようにはっとする

セ「なあAちゃん。俺の買ったげた服きてや」

『えっ？』

その言葉に今度は他の３人がはっとする

坂「なっセンラだけ抜け駆けとかずるいわ!!」

浦「なに１人で……!!」

志「せやでセンラくん!!」

しかしそんな俺らの言葉はセンラの言葉で一蹴される

セ「だってあの日、一位は俺やったんになんの特典もないやん？せやから俺の服きてや!!」

にやっと笑うセンラに３人は黙るほかない

特に志麻くんは「ちぃっ!!」と大きな舌打ちを響かせていた

しかし未だ抵抗するのは誰あろうA本人だった

『嫌です!!あんなかわいい服、着れないって言ってるじゃないですか!?』

セ「ええやん、かわいいんやから」

『似合わないんですよ!!』

なんて２人が言い合ってる(正確にはAがセンラに噛みついてる)うちに時刻は十時半すぎ

坂「えっもう十時半!?やばない!?」

浦「うわっ本当だ」

志「二人とも言い合ってる暇ないで～？今回ばかりはしゃーない、センラくん、Aちゃん連れて車乗って!!」

Aがセンラの服を着ることに渋ってた志麻くんもふっきれたみたいやった

そんなこんなでギャーギャーいいながら乗車

浦「Aの車だけど俺運転させてもらうね？A駅行かなさそうだから」

わかってるならこれ半分誘拐ですよとかなんとか騒ぐAを乗せて、車は出発した