浦島坂田船の塩なお世話係は超絶鈍感でした (ページ12)

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じゅういちページ12

side…you

さっき久しぶりに高校の頃のクラスメートに会った

名前は佐久間慧(サクマケイ)くん

実は高校の頃の片想い相手で

卒業してから連絡もとれなくて諦めて、もう忘れたと思っていたけど、こんなとこであうなんて…!!

明後日か…なにきてこうかな…

坂「…A」

『…はい。何でしょうか、坂田さん』

うわっびっくりした…

つい反応が遅れちゃった

やばい、こんなんじゃお世話係っていえないよね

今は仕事中だし、終わったら佐久間くんのこと考えよ!!

坂「やっぱ俺にはそんなしゃべりかたなんやな…(ﾎﾞｿｯ)」

『…？すみません、もう一度お願い出来ますか？』

坂「あーええんよ、こっちの話やから」

…なんだろう

坂田さん…なんかちょっと機嫌悪い？

いや…でもただのお世話係の立場で話を聞くわけにもいかないし、黙ってよう

坂「……………A」

『はい』

坂「あいつ、誰や」

『…あいつ……？と申しますと……』

坂「自動販売機のとこでしゃべってた奴や」

『自動販売機…え、見てらっしゃったんですか!?』

坂「!!っごめんな！別に盗み聞きしようと思ったわけやないんやけど、なんか聞こえてきちゃって……」

『ああ…いえ、大丈夫なんですけど……その』

え、素の喋り方ばれた!?

坂「…喋り方…ちょっと気になってな…。ほら、俺らに話すときはバリバリのかしこまった敬語やん。でもあいつ……あの人と話してるときはなんか…その…砕けた感じというか…」

…きかれてたぁぁ

いや、ごまかせ!!

っていうかなんだろ、いつも快活な坂田さんにしては言葉の歯切れが悪い…？

坂「その…付き合っとるん？」

『……………はあ!?いやいやいや全然違いますよ!!もうなんかあの人とはそうじゃなくてただのクラスメートっていうかその、ただのクラスメートです!!』

顔に熱が集中するのがわかる

やば…今顔真っ赤かも!?

坂「え…あ、そうなん？良かった…(ﾎﾞｿｯ)」

『え？』

坂「いや…なんでも…てかAそのしゃべり方のがええな！びっくりまーくついてる感じがええわ！」

坂田さんの纏う雰囲気がいつの間にかいつもの感じに戻っていた

良かった…

体調でも悪いのかと思った

って…やばい

私今思いっきり冷静さなくしてた!!

『っすみません!!私ごときが坂田さんに…元に戻すので…では!!』

私はつい坂田さんから逃げるように走り出してしまった

坂「ぅえ？ちょっ…まっ」