第187夜 命の時間 ページ40
さて、そろそろ先に進もうと皆が寝ぼけ眼で起きはじめたとき。
「えー、実は…」
「俺たちからご報告があります」
彼女の肩を抱き寄せながらそんなことを言い放った2人に場が静まる。
そして顔を見合わせ微笑み合うと。
「「子どもができました!!」」
…。
「「「「「えぇーーー!!!」」」」」
一体どういうことだ!! 君たち前から仲良かったけども!! まさかこんな発展してるとは…!!
「ちょっ、ちょっとそこ座りなさい」
2人を目の前に座らせ尋問開始。
まぁ、聞くには。
子どもはダビデとの決戦後に分かったらしい。
死者が出た中で、新たな命の報告に気が引けて今まで言わなかったようだ。
「な、名前は!? 」
「まだ決めてませんよ。これから時間をかけて決めていきます」
「大切にしたいんです」
そう言ってお腹に手を当てる2人。
その2人の周りをルフがピィピィと祝福の声をあげる。
「おめでとう!!」
君たちの子だ。
強くて凛々しく育つんだろうなぁ〜!!
そんな未来に皆の心が弾む中。
バタッ…。
僕の隣に座っていた彼女が急に倒れた。
「おい、しっかりしろよ大丈夫か!?」
焦った1人がぐるんと仰向けにさせる。
額に手を当てると凄い熱で。
咳き込みだした彼女の口からポタポタと血が溢れる。
「私さっきまで…、平気、だったのに…」
確かに彼女は今さっきまで祝福を喜んでたのだ。こんな急に!?
とにかく助けてもらわなきゃ!!
「僕、基地に戻って薬草貰ってくる!! 理由を話せばシバだって分かってくれる、助けてくれるよ!!」
熱にうなされる彼女を皆に任せ、1人基地へ飛んでいく。
手遅れになる前に!!
ーー王宮前にてーー
「なんで!?」
「熱なら大丈夫よ、それより式典で忙しいの」
「吐血もしたんだよ!?死んじゃう!!」
「追放した貴女がこの地を踏みしめるなんて罪に値するのよ!! だいたい勝手に出て行って病気にかかって助けてなんて身勝手もいいところよ!!」
「シバ!!」
「あなたと貴女の隊員がどうなろうと知らないわ!! 」
「え、」
「2代目、彼女を追い出してちょうだい。そのあと式典の最終確認するから手伝って」
「仰せのままに、シバ王妃」
交渉、ならず。
ーー
「なんだよそれ!! 平等なんじゃなかったのかよ!! 俺たちなんて死んでもいいってのか!!」
「ほら、水飲め」
「もう僕たちでなんとかするしか…!!」
それは別れの始まり。
限られた命の時間が刻一刻と過ぎていく。
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千年彗星(プロフ) - 夢雪さん» 読んでいただきありがとうございます! そして泣いてくださるなんて…! アルマトラン編を好きと言ってもらえて嬉しいです、ありがとうございます! (2018年3月25日 20時) (レス) id: c15a2aa7e8 (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 悲しすぎるです!(´;ω;`)ウッ…すごく泣きました。無意識に気づいたら泣いてました。アルマトラン編私好きです。 (2018年3月25日 16時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - ティナさん» だいぶ落ち着いてきました(*^^*) 声をかけてくださり感謝感謝です!! それに加え何回も見てくださってるとは…!! ゴールデンウィークあたりにはできると思うのでそれまで待っていてくださると嬉しいです(*^^*) (2017年4月28日 12時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
ティナ(プロフ) - お久しぶりです! 落ち着いてきましたか? 何回も繰り返し見てます! 更新楽しみにしてます! (2017年4月27日 21時) (レス) id: c9a6aed029 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マロンクリームさん» コメントありがとうございます!! だんだん落ち着いてきたので更新もそろそろできると思います! これからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年4月23日 0時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千年彗星 | 作成日時:2016年6月25日 22時