【マギ】神出鬼没なマギ4.〜アルマトラン編.後編〜

第184夜 月のない夜道で ページ37

月の照らない夜道を歩く。


「はぁ…」


1人になった今。
これまでとった僕の行動が正しいのか考えてしまう。


「はぁ…」


さっきから溜め息しかでないよ。
もっと他の方法とかあっただろ僕!!
あれじゃあ、ただのウザイ奴じゃんか!!


確かにシバやソロモンのことも含めて丸く治めるには話し合いが必要不可欠だったけれども!!


いろいろ試した挙句?
追放されました?



「マジでクズ人間だな僕!!」


レイメスみたいに賢くて、皆の事をまとめることのできる才能があったらきっと違う結末だったはず…。



「いやいや、でもやることはやったんだし」


それにまだ僕の隊員が残ってるんだから!!
彼等は自慢の隊員達なんだから!!
きっとなんとかしてくれるはず…!!



ーピィピィー
(A、寂しくないの?)

ーピィピィー
(1人でなんて耐えられないよ)



僕が生きる先。

大事な友は僕より先に死んでいくだろう。

永遠の時を生きる僕と限られた時を生きる人。



「結局のところ、1人になるんだから」



それが早いか遅いかだけのこと。



「あーあ!! しんみりしちゃったよ。君たちのせいだからね!!」



僕の周りをふわふわ飛んでるルフにビシッと指をさす。


ーピィピィ!!ー
(何をー!! 心配してあげたのに!!)

ーピィピィ!!ー
(Aのバーカ!!)


「バカって!! このルフ達め!! 捕まえて瓶に詰めてやる!!」



ーピィピィ!!ー
(キャーー!!)

ーピィピィ!!ー
(こんな胸ぺちゃに捕まるものか!!)



おいなんだ胸ぺちゃって!!
ルフにまで貧乳のことをバカにされるとか嫌だーー!!



「あと数年もすれば豊満な胸にってるわ!! そして今バカにしたことを後悔すればいい!!」



ーピィピィー
(さらに胸ぺちゃになってるかも)

ーピィピィー
(もう男の娘として生きた方がいいよ)


性別変更を言い出すルフを必死に捕まえようとする。

だけどふわふわと飛んでは、僕の攻めをすり抜けるルフ。



「ふーんだ!! そんなこと言う君達なんて置いてっちゃうからね!!」


ーピィピィ!!ー
(海に行くんでしょ!!)

ーピィピィ!!ー
(置いてかれても待ち伏せしてやる!!)



そう言うルフを置いて走りだす。

走って走って。

少ししたところで後ろを向くと、全力で追いかけてくるルフ達がいた。


「ふふふ。楽しそうですね」

「俺たちも混ぜてくださいよA様」


突然かけられたその声は。
とても聞き慣れたもので。


「え、なんで…?」


そこには。
いるはずのない僕の隊員達がいた。

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