第178夜 対等でいるための秘密 ページ31
ソロモンに肩を押され、落ちるようにあの空間を後にした僕。
帰り道に困ってた僕。
一緒に探すと言った君。
なんだよ〜、帰り方知ってたのかよソロモン!!
落下する感覚からふわっと誰かに抱きとめられる。
「A様、よかった!!」
聞き慣れた隊員の声に目を開けると、皆が僕の顔を心配そうに覗き込んでいて…。
「上から落ちてきた時はびっくりしましたよ!!」
詳しく聞くに、皆が戻ったのに僕の姿が見当たらないのが心配であれからずっと待っててくれたらしい。
「A様のことだから、なんやかんやで戻ってくるとは思ってたが…」
「まさか降ってくるとはな。ハハッ!!」
「ハハッ!! じゃねーよ!!!」
え、なに? てことは?
君たちがいなかったら僕死んでたかもしれないってことだよね!? 落下死とかしてたってことだよね!?
「僕、どれくらい消息不明だった?」
「3日ですかね」
かなりあっちにいたんだな…。
感覚が違うって結構恐ろしいものなんだね。
「なんか、いろいろ大変だったみたいで…」
「…うん」
僕を横に抱いたまま労わるように頭を撫でてくる彼。
労ってくれる心はとても嬉しい。
暖かくて優しい君たちの元に戻ってこれたのだから、やっぱり空間から出るという選択は間違ってなかったはず。
「あれだけ責められたから…、もう帰ってこない選択肢だってあったのに。帰ってきたA様はやっぱり誰より強いです」
必死に励ましてくれる彼女が可愛すぎてたまらない!!
抱きとめられてる状態からストっとおりる。
僕が今、ここで踏みしめている場で。
ダビデはどんな人生を歩んできたのだろうか。
この場で1度でもレイメスを殺めたことを後悔したのだろうか…。
神に許しを乞うたことがあるのだろうか…。
「A様…。帰りましょう」
「そうだね。ごめんね皆もずっと待ってたから疲れたよね!!」
「いえいえ、A様のためなら何千年でも待ちますよ」
親友1人すら止めることのできなかった僕に、そんな言葉をくれる君たち。
僕もね。
君たちのためなら何万年だって待てる。
この命だって惜しくないんだよ。
「そういえば、A様の周りにもルフがいるんですね」
ピィピィと僕の頭に乗るルフたち。
黒い触手に触れたから。
きっとウーゴ達もそうなんだろうね。
7年前、レイメスから別れる時にもらった魔力逆流防止弁。
青い宝石のそれを両腕につけ、包帯で巻き隠す。
「皆とは対等でいたいからこのことは秘密だからね!!」
第179夜 繋ぎとめたいもの→←第177夜 別れの言葉は感謝の心を
386人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
千年彗星(プロフ) - 夢雪さん» 読んでいただきありがとうございます! そして泣いてくださるなんて…! アルマトラン編を好きと言ってもらえて嬉しいです、ありがとうございます! (2018年3月25日 20時) (レス) id: c15a2aa7e8 (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 悲しすぎるです!(´;ω;`)ウッ…すごく泣きました。無意識に気づいたら泣いてました。アルマトラン編私好きです。 (2018年3月25日 16時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - ティナさん» だいぶ落ち着いてきました(*^^*) 声をかけてくださり感謝感謝です!! それに加え何回も見てくださってるとは…!! ゴールデンウィークあたりにはできると思うのでそれまで待っていてくださると嬉しいです(*^^*) (2017年4月28日 12時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
ティナ(プロフ) - お久しぶりです! 落ち着いてきましたか? 何回も繰り返し見てます! 更新楽しみにしてます! (2017年4月27日 21時) (レス) id: c9a6aed029 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マロンクリームさん» コメントありがとうございます!! だんだん落ち着いてきたので更新もそろそろできると思います! これからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年4月23日 0時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:千年彗星 | 作成日時:2016年6月25日 22時