第177夜 別れの言葉は感謝の心を ページ30
3人が空間から元の場に戻された。
「…」
「…」
が、戻れない者が1人ここに。
「えーっと。これは、そのぉ…。自動的に戻れるシステム的なやつじゃないのかな?」
シバにウーゴ、アルバは終わると同時に綺麗に目の前から消えた。だから僕も彼等と元の場所に戻れるかと思ったんだけど…。
「忘れられてるな、お前だけ」
「いーーやーーー!!!!」
こんな意味も分からない所に置き去りなんて惨すぎる!!
しかも忘れられてるって何なの。
勘弁してくれよ〜!! ちゃんと最終確認してから戻してくれよ!!
「だから来るなって言っただろ。バカだな〜」
そう言う彼を殴ってやりたい。
だけど、ルフとなってしまった君に触れることは叶わない。
「はぁ…。帰る道でも探すよ」
神様が代わってしまった以上、目を閉じて歩んできたこれまでを思い出すやり方は通用しないだろう。
僕はその方法しか知らないから、今は歩いて見つけるしかないな。
神杖を持ち直して歩くと、何故だかソロモンもついてくる。
「何で着いてくるの、世界の事見てなくていいの?」
「いや、見てるさ。それに何にも無い空間に1人は寂しいからな、お前が帰るまで付きまとってやろうと思ってな!!」
「憎たらしい!!」
こんな言い合いしながらも、ルフの舞う空間をただ歩く。どこに出口があるかも分からず、どちらにどのくらい進めばいいのかも不明。
これ、下手したら…、
「ここらから一生でれないかもな」
「やめろー!! それを言うな!!」
なんでこんなことに!!
僕だけ課せられるハンデが可笑しいだろ〜。
人が肩を落として歩いてる隣を、ふわふわと飛びながら着いてくるソロモン。
腹立つ〜!!
「もう!! こうなったの絶対ソロモンのせい!!」
「なんで俺なんだよ」
「あの時ソロモンが『おまえは…、特にない』とか言うから!! あんな扱いしたから悔いが残ってこんなことに…!!」
「妄想が激しいな…」
そう言うと、ふわりと僕の前にくるソロモン。
「あれは冗談だ。お前にはいい尽くせないほどの感謝の言葉があるぞ?」
ほほぅ…。
「お前がいなかったら、俺は人として終わってたしな。Aがいたから友達も増えた、皆とバカやることの楽しさも知った。それから…」
「あー、ストップ!! もう大丈夫です」
強制的に止めると面白そうに悲しそうに笑う君。
「A。これだけは言わせてくれ」
「…」
「ありがとう」
とん…。
いい終わると同時に前から肩を押され僕はこの空間を後にした。
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千年彗星(プロフ) - 夢雪さん» 読んでいただきありがとうございます! そして泣いてくださるなんて…! アルマトラン編を好きと言ってもらえて嬉しいです、ありがとうございます! (2018年3月25日 20時) (レス) id: c15a2aa7e8 (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 悲しすぎるです!(´;ω;`)ウッ…すごく泣きました。無意識に気づいたら泣いてました。アルマトラン編私好きです。 (2018年3月25日 16時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - ティナさん» だいぶ落ち着いてきました(*^^*) 声をかけてくださり感謝感謝です!! それに加え何回も見てくださってるとは…!! ゴールデンウィークあたりにはできると思うのでそれまで待っていてくださると嬉しいです(*^^*) (2017年4月28日 12時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
ティナ(プロフ) - お久しぶりです! 落ち着いてきましたか? 何回も繰り返し見てます! 更新楽しみにしてます! (2017年4月27日 21時) (レス) id: c9a6aed029 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マロンクリームさん» コメントありがとうございます!! だんだん落ち着いてきたので更新もそろそろできると思います! これからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年4月23日 0時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千年彗星 | 作成日時:2016年6月25日 22時