【マギ】神出鬼没なマギ4.〜アルマトラン編.後編〜

第163夜 ベッドの上の攻防戦 ページ16

太陽が昇り、世界に光が溢れかえる。


皆には疲労で倒れた、と嘘をついて誤魔化してあると言われ。顔を出す時は話を合わせるようにしろとの事。

しかし、その場にいたシバを騙すことは難しく。彼女には本当の事をソロモンの口から伝えたそうだ。


「A姉、今日1日は絶対安静だからね!!」

「「安静にしなかったら怒るから!!」」


と、ライとその友達に言われたのだが…。

え、怒るの? えー、待って待って。
怒った顔とか見てみたいんだけど!!
絶対イケメンかつ可愛いじゃん。

なんて思いながら、運ばれてきた朝ご飯を食べようとしていたのだが…。


「A様、口を開けてください」

「…」

「ほら、あ〜ん」

「いや待て。なんでここにいるのフォカロル」


ベッドに腰掛けて、朝ご飯を食べさせてこようとするフォカロル。

それはもう満面の笑みで。フォークに刺さったトマトを食べさせてこようとする。


「何でって…。疲労で倒れたA様の姿を見たいという欲求が抑えらませんでしたから」

「それでよく堂々と不法侵入できたな!」

確かに鍵は閉めた筈なのに。
必ず彼はここに侵入してくるのだ。


「ほら、食べてください」


何をどう足掻いても、彼は食べさせてくるのだろう。

仕方ない。ここは妥協するか…。一口でも食べれば満足して帰ってくれるでしょ。

「あ、あ〜ん…」

あぁ、いい歳した大人が何が悲しくてこんな事やってるんだろうか…。
笑ってくれ!! いっそ笑ってくれ世界の皆!!

口を開ければ入ってくるトマト。その冷たさと絶妙な味付け…。さすがセッタ!! 安定の美味し
さ!!

「さぁ!! 次は肉をどうぞ」


そう言いながら目の前に差し出してくる。

これはアレじゃないのか? 妥協しても意味が無く、食べ終わるまで続くやつでは…!!


それに僕、お肉はあんまり好きじゃないんだよね…。噛みきれないのとかあるし。野菜はシャキッとしてて美味しいから好きだけど…。


「あぁ、確かお肉は苦手でしたよね。でもいけませんよ。バランス良く摂らなければ…。貴女様の身体のためにも」

「でも、それだけは…むぐっ!?」


頬を掴まれたと思ったら、力任せにお肉を突っ込んでくるフォカロル。

そして吐き出さない為なのか。
片手を後頭部に回し、もう一方で口を塞いでくる。

苦しさ逃れに飲み込めば、


「よくできました!! さぁ、次は口移しでしましょう!!」

「しません!!」


ベッドの上で、彼の口づけを華麗にかわす。









たまに頬にかすってるから!!

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