第148夜 消えゆく命の中で ページ1
ー下記に記すのは、七魔導士団が死ぬ間際の細かな詳細であるー
生温い風が吹く中、僕たちはいつも通りの統制を終えて帰ってくるはずだった。
『おかえり!!A姉!!』
『『守護神おかえり!!』』
物凄い勢いで飛びついてくるライ達に、仰け反りながらも受けとめ、ソロモンに帰還の報告をするはずだったんだ。
「A様!!腹から血が…!!」
「僕はいいから!! 他の隊員の手当を!!」
目の前に立ちはだかるのはソロモンのお父さん、ダビデだった。
7人という構成は他のところに比べ人数がとても少ない。それでも、今まで敗北したことなんてなくて。
だから今回もサクッとやってこよう!!
そんな思いが仇になった瞬間だった。
「顔はレイメスにそっくりだが、力は似なかったのだな」
いつの間にか距離を詰められ、彼の角ばった手が僕の頬を撫でる。
「A様!! ゴフッ!! 」
咳き込んだ彼女の口から血が滴り落ちる。
魔力もほとんど底を尽き、体力も精神力も全て奪われた身体は。彼の手から逃れる手段を持たなくて。
「自分の事より仲間の心配か? そこはレイメスに似たのだな」
つうっと、頬から体軸をなぞりその手が腰にへとまわる。
「あぁ、A。なぜお前は私の子ではなかったのだろうか。哀れな王よ、私の子であったなら心底お前を愛しただろう」
「ははっ…。君は欲張りだね。ソロモンっていう…僕より、優れた人がいるのに」
途切れ途切れで、やっと思いを言葉にする。
彼は何を言っているのだろうか。己の私利私欲のために、僕を忌み子と名ずけ、生まれながらして人間としての地位から蹴り落としたくせに。
「僕の扱いが雑になれば…、彼が助けに姿を現すとでも思った? でも残念。彼はそんな罠にははまらないよ…」
「だろうな」
その言葉を口にしたとほぼ同時に、彼の生温かい舌が僕の口の端を舐める。
「…っ!!」
「なかなか甘美な血の味だ」
浮遊していた身体を地面に叩きつけられ、その衝撃に血が舞う。他の隊員もかなりの重傷で、動ける者などおらず。意識を保つのがやっとの者もいて。
せめて皆だけでも基地に帰さなきゃ…!!
神杖を振り上げる彼から守るように、皆の前へ立ちボルグを張る。
「�爐泙伸甓颪�う、百連錬磨のA」
容赦ない魔法が撃ち込まれ、ブチブチと身体が悲鳴を上げる。
消えゆく命の中で、ふと思った。
彼の口から漏れた�爐泙伸瓩箸いγ姥譟�
これは何か深い意味でもあるのだろうか…。
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千年彗星(プロフ) - 夢雪さん» 読んでいただきありがとうございます! そして泣いてくださるなんて…! アルマトラン編を好きと言ってもらえて嬉しいです、ありがとうございます! (2018年3月25日 20時) (
レス) id: c15a2aa7e8 (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 悲しすぎるです!(´；ω；｀)ｳｯ…すごく泣きました。無意識に気づいたら泣いてました。アルマトラン編私好きです。 (2018年3月25日 16時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - ティナさん» だいぶ落ち着いてきました(*^^*) 声をかけてくださり感謝感謝です!! それに加え何回も見てくださってるとは…!! ゴールデンウィークあたりにはできると思うのでそれまで待っていてくださると嬉しいです(*^^*) (2017年4月28日 12時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
ティナ(プロフ) - お久しぶりです！ 落ち着いてきましたか？ 何回も繰り返し見てます！ 更新楽しみにしてます！ (2017年4月27日 21時) (レス) id: c9a6aed029 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マロンクリームさん» コメントありがとうございます!! だんだん落ち着いてきたので更新もそろそろできると思います! これからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年4月23日 0時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千年彗星 | 作成日時：2016年6月25日 22時
