弱虫7匹 ページ9
それからというもの、宮侑はちょくちょく私に話しかけてきては倫太郎との接点を私に見出そうとしてきた。
侑「なあ、ほんとに知らんの??顔も?」
貴「しつこいな、面と向かって喋ったこともないってば。」
しつこすぎていつのまにか敬語は外れていた。そういえば同い年とは思えない身長の威圧感に圧倒されて敬語になってしまっていた。倫太郎は大きいけどいつも私と話す時は少し屈んで私が話しやすいようにしていた気がする。
侑「部活なにしてるん??」
この質問は、ちゃんと答えたら多分何かしらばれる。そう直感的に思った私は、またひとつ嘘をついた。
貴「はいってない。勉強が忙しいから。」
学力特待生であることは既にバレているのでこの理由が1番もっともらしいと思った。
貴「だいたい、なんでそんなに角名くんのこと聞くの。」
ちょっとでもなにか漏らしてくれないかと聞いてみると、宮侑は少し嫌そうな顔をして答えた。
侑「あいつ、地元にめっちゃ大事にしてた幼馴染残してきたとか写真まで見せていたくせに、肝心な名前とかは教えてくれんねん。」
呼吸を凄まじく奪われた。
貴「…は?」
持っていたバスケットボールを落とすくらいにはびっくりしたし、てかなんだよ大事にしてたって私は倫太郎の子供かなにかか。
侑「見せてもろた写真に自分がそっくりやねん。やからもしそうなら名前教えてもらお思ったん。」
貴「顔も存在も知ってるなら名前くらい知らなくてもいいでしょ、それ私じゃないから。」
侑「いじりたいやんかー。」
いじり目的かよ。確かに倫太郎はいつも真顔で何考えてるかわかんないし感情あらわにしてるとことか見てみたいけども。
侑「あいつ、その話してる時だけは嬉しそうやし、かと思ったら俺が探り入れたりしたら嫌そうな顔すんねん。どんだけ隠したがりなんやあいつ。」
そりゃ、こんな弱虫な幼馴染なんて恥ずかしい限りでしょうから…。なんて思っているとチャイムがなった。この時間は4限目だったため、宮侑はこのまま昼練に入るらしい。え、それはこの体育館にバレー部が来るということか???
侑「はやく体育館から出ろやー。練習出来へんやろー。」
と周りのクラスメイトに声をかけている宮侑は早く練習がしたくて仕方ないらしい。私も昼練があるので早く着替えて行こうと思った。
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水野 - 更新待ってて良かったです!超面白いです! (2020年7月20日 21時) (レス) id: cdb3fa391f (このIDを非表示/違反報告)
さくやん(プロフ) - ?さん» 申し訳ありません!修正しました! (2020年7月9日 21時) (レス) id: 417db36de3 (このIDを非表示/違反報告)
至ってノーマル - 素敵すぎます!!!!!めっちゃ好きです!!かっこかわいい推しをありがとうございます!!!!応援しております! (2020年7月9日 18時) (レス) id: 5e35942dd3 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - 途中から名前が万智になってます(泣) (2020年7月9日 17時) (レス) id: f4c6db3892 (このIDを非表示/違反報告)
Rui(プロフ) - はじめまして!とても面白いです!更新楽しみにしてます!! (2020年3月28日 21時) (レス) id: 6ad8403b99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくやん | 作成日時:2019年9月13日 23時