弱虫11匹 ページ13
高校二年生の夏。今年もコンクールの季節が本格的にやってきた。私は今までソロばかりしていたので年中がコンクールの季節だったけど、団体、特に学生は夏が最も大きな大会を控える時期である。
今年も、男子バレー部は県予選で優勝し、インターハイ出場が決定したらしい。全校朝会で、
新しい部長さん、なんだかぴっしりした感じの先輩は、
北「今年は優勝を持って帰って来れるよう全力をつくします。」
そうはっきりと言っていた。私達吹奏楽部も無事県大会、地区大会を通過し、残すは全国大会となった。今年も地区大会等の練習とかぶって
バレー部の全国大会の応援へはコンクールに出ないサブメンが行っていたが、今年は倫太郎がスタメンに入ったらしい。相変わらずしつこく私に質問をしてくる宮侑がそう言っていた。
そして、大きな変化が訪れた。
銀「8組の、満ヶ里さんやんな??」
しまった。この人はあきらかにバレー部のレギュラーの目立っている4人の1人だ。
銀島結。委員会が同じだったらしい。
私たちが所属するのは美化委員会。夏休み明けの体育祭、文化祭のために校庭や花壇の整備をするのに駆り出されるとは知っていたが、ランダムにクラスをバラバラにしてペアを組み、交代制でその作業を行うというのを忘れていた。
しかも私のペアはこの銀島くんである。恐ろしいことに、宮双子は死ぬほど銀島くんに絡んでいるのをよく見る。そして倫太郎は宮治のほうとよく一緒にいる。
貴「銀島くんだよね。よろしく。」
よろしくと顔では笑えていても、内心はすごく焦っていた。どう誤魔化せばいいだろうか。どうすれば会わずに済むだろうか。と考えていると、銀島くんは何となく焦っている私の様子を見て察したのか、苦笑いで口を開いた。
銀「よく侑が絡んどるよな。もしかして男子とか、騒がしいのとか苦手か??」
もしそうなら、活動中はバレー部のやつらとか先輩とかはちあわんようにするけど。どう??
と天使とも思える提案をしてくれた上に、確かに騒がしい人はすごく苦手だし怖いと思い、その提案に激しく首を縦に振った。
貴「ごめん。そうしてくれるとありがたいかな。」
お互い部活が忙しい同士ということもあって、稲荷崎ではどの部活も休みである日曜日の午後にシフトを入れてもらい、これで極力バレー部と顔を合わせることはないだろうと安心した。
見たところ宮侑以外のバレー部は倫太郎に幼馴染がいることも知らないようだし、まだ大丈夫かな。と思った。
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水野 - 更新待ってて良かったです!超面白いです! (2020年7月20日 21時) (レス) id: cdb3fa391f (このIDを非表示/違反報告)
さくやん(プロフ) - ?さん» 申し訳ありません!修正しました! (2020年7月9日 21時) (レス) id: 417db36de3 (このIDを非表示/違反報告)
至ってノーマル - 素敵すぎます!!!!!めっちゃ好きです!!かっこかわいい推しをありがとうございます!!!!応援しております! (2020年7月9日 18時) (レス) id: 5e35942dd3 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - 途中から名前が万智になってます(泣) (2020年7月9日 17時) (レス) id: f4c6db3892 (このIDを非表示/違反報告)
Rui(プロフ) - はじめまして!とても面白いです!更新楽しみにしてます!! (2020年3月28日 21時) (レス) id: 6ad8403b99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくやん | 作成日時:2019年9月13日 23時