弱虫と体幹おばけ［角名倫太郎］

弱虫9匹 ページ11

侑視点

俺が角名から幼馴染の話をはじめてきいたんは、1年の夏合宿。ちょっとした自由時間が出来た時に、俺がちょっと恋バナをしてたら角名は
自主的に、ポツポツと話し始めた。

角「俺さ、東京に幼馴染いるんだよね。それも3歳からめっちゃ大事にしてきたような子。」

なんやその純愛物語。そんなあくどそうな顔しといてそんな恋愛しとんのか。俺でもびっくりやぞ。

角「侑と一緒で、俺がきっかけでラッパ始めたんだけど東京では敵無しでさ。東京の音大付属に通ってると思う。」

侑「と、思う？なんやそのあいまいな。」

角「実際にはどうか聞いてない。俺がこっち来るのもなんか残念そうにしてたから、お前は？なんて聞く隙もなかった。」

侑「ほー。めっちゃ大事にしてたんに把握は仕切ってないんか。」

うるせえよ。と睨みつけてきよった角名にひっなんて冗談めいて返すと、角名はタオルを頭から被ってこう言っとった。

角「俺さ、東京にいるとき親心だと思ってたんだよ。あいつへの好きだなーって感じ。」

ちがったの気づいたの、会えなくなってからだったわー。おせー。

自嘲気味に洩らした角名の顔は見えへんかった。まあかくいう俺も結構最近好きなんに気づいたから少しだけ気持ちはわかった。

侑「連絡、とってへんの。」

角「毎日連絡してるし、たまには電話もするけど、俺に近状とか言ってくれないんだよね。」

角「でもやっぱ、本物に会って触りたいじゃんか。好きな子は。」

兵庫来てくんねーかなーー。タオルを頭から話し角名が少し大きい声で言った。俺もなんか好きな子に会いとうなってきた。




そして、2年になった春。新しい体育のクラス分けでたまたま見つけたちびが、あの日ごねて見してもろた角名の幼馴染の写真にめっちゃそっくりだった。角名、お前、好きな子に会えるかもしれんで。

侑「角名！！お前の幼馴染って誕生日いつや？！」

それから、確信を持つためにドッペルちびに質問をしては角名のとこへ答え合わせをしにいくいう生活が続いている。

最初はは？と言いたげな顔で質問に答えていた角名は、質問が3個に達したとこでめっちゃ嫌そうな顔で俺に言い放った。

角「お前には教えない。前にも言ったけど、こっちは12、3年大事にしてきたんだよ。」

ギッと効果音のつきそうな睨み顔で、自然と後ろに黒いオーラが見えそうな顔して言われたら引き下がるしかないやん。でも、出来れば会わせてやりたくて4日に1回は質問を続けている。

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