10.強引と猫 ページ10
宿儺「__おい、さっさとAから手を離せ」
悠仁「宿儺……!勝手に出てくんなよ!」
声のする方を見たら、悠仁の頬にもう1つの目と口が顕現していた。
最近は皆んなの前で出てくることはなかったから珍しいな。
あれ?それなら、宿儺はどうして今になって出てきたんだろう?
五条「……嫌だと言ったら?」
宿儺「ククッ、そうか。それなら次、小僧の体を乗っ取った時に無礼な態度を改めさせてやるとしよう」
悠仁「っ!いや、絶対お前なんかに体は渡さねぇからな!」
宿儺に言われて五条先生はより強く僕を抱きしめる。
それは宿儺に渡したくないというよりは、逃げられないようにする為のものに思えて。
悠仁が怒る中、宿儺は僕に話しかけてくる。
宿儺「A、ようやく帰ったか。やはりお前がいないとここはつまらん」
A『えっと……ただいま?』
宿儺「どうせあの猫の元に行っていたんだろう?まぁいい、こうして俺の元に戻ってきたのだからな」
五条「……ねぇ、A?君はいつからそんなに宿儺と仲良くなったのかな?」
宿儺が話していたら遮るように五条先生が口を挟む。
先生の顔を見上げれば、笑顔を浮かべてはいるけど怒っているような気がして。
悠仁「……A、本当はずっと前から宿儺と話してたのか……?」
唐突に、悠仁からそんなことを聞かれた。
悠仁「前からおかしいと思ってたんだ。
朝起きたら、いつの間にかAの部屋にいることがあるし……」
A『それは……』
宿儺「とぼけなくていいぞ。俺とお前が逢瀬を重ねていたことは事実だからな」
悠仁「なっ……!?マジかよ」
僕たちが会ってることは秘密のはずなのに皆んなの前でバラされた。
まさか、呪霊側と通じていることも話すつもり……?
それなら今すぐ高専から逃げないといけないけど。
あいにく、今の僕は五条先生にがっちりとホールドされている。
この状況はかなり不味いかも。
五条「ふぅーん?先生には言えないことしてたんだ?A……少し僕と話そうか。こっちに来て」グイッ
A『っ……分かり、ました』
五条先生に半ば強引に腕を引かれながら僕は教室を出た。
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作者名:シュリィ | 作成日時:2023年5月7日 20時