約束 ページ44
リクエストより
.
｢サンジ！｣
ぱたぱたと慌ただしく足音を立ててやって来たA。乱れた前髪を軽く直してやると、小さくお礼を言った。
｢そんなに慌ててどうかしたか？｣
｢う、うん、あのね、あのね｣
少し興奮気味に何かを伝えようとするAに顔を近づけると、まっすぐと見つめられる。
｢このあいだのと、秘密にしてくれてるお礼、したいの｣
そう言われて、先日Aが男に絡まれていた際のことを思い出す。｢なにかない？｣と尋ねてくるAにサンジは悩んだ。お礼を貰う気なんてものはさらさらなく、寧ろ当たり前のことをしたまでだと思っている。
しかしなにもないと言って引き下がってくれるような雰囲気ではなく、さらに困り果てる。
｢今すぐじゃなくても、いいよ。思いついたらでいいから……なんでもする！｣
｢なんでも……あ｣
一つ思いついて小さく呟けば、聞き逃すまいとAが意気揚々と尋ねてくる。あまりのやる気に少し吹き出すと、不思議そうに首を傾げた。
｢この前マリモになんか飯作ってたろ。おれにも食わせてくれよ｣
｢え！｣
思いもよらなかったのか、驚いたように目を見開いてから｢うぅ｣と小さく唸ったA。なにか不都合でもあったのかときくと、視線を右往左往に動かしてごにょごにょと小さく何かを呟いている。
ゾロには食べさせて自分には食べさせたくないのか。そう考えざるを得ない反応にゾロへの嫉妬の怒りと、悲しさが芽生える。
｢さ、サンジ料理上手だから、恥ずかしい｣
｢なんだ、んなことか｣
確かに気が引けてしまう気持ちもわかると、自分の憶測が当たっていなかったことに安堵のため息をはく。しかし気にすることないと言っても、それでもAはどこか不安そうにした。
｢……それに｣
｢？｣
｢愛情、こもってんだろ？｣
そう言うとAはハッと顔を上げて、小さく頷いた。
以前Aがゾロに料理を作っていた際、キッチンへと繋がる扉の中から聞こえた言葉だ。｢愛情がこもっているからきっとおいしい｣と自信ありげに発言していたことをサンジは覚えていた。
｢マキノがね、愛情をこめたらみんな喜んでくれるって、言ってたの｣
そのときのことを思い出しているのか、少し懐かしそうに嬉しそうに微笑んだ。
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p(プロフ) - あさん» 書いてくださりありがとうございます！！！！私の支離滅裂な展開をこんな可愛らしいお話に仕上げてくださって本当に嬉しいです〜〜！お忙しい中ありがとうございます！ (2022年10月26日 15時) (
レス) id: 223237ad78 (このIDを非表示/違反報告)
不死川(プロフ) - あさん» さいっこうですうううあ！！！！ほんとにさすがですとしか言えないくらい最高です！！ローの愛を表に出さないけど可愛がってるのが伝わってきて大満足です！ありがとうございます！😍✨ (2022年10月24日 22時) (レス) id: 53c93e683f (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 不死川さん» ありがとうございます！こんな感じになりました〜〜どうでしょうか！ (2022年10月24日 21時) (レス) id: c0da8dc606 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - すごくアバウトなリクエストだったのに素敵なお話ありがとうございます😭癒されました！！！ (2022年10月24日 1時) (レス) @page45 id: 65159ab740 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - ののさん» ありがとうございます〜！こんな感じになりました、どうでしょうか……！ (2022年10月23日 18時) (レス) @page45 id: db5a2b7bb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あ | 作成日時：2022年9月7日 8時
