▼ ページ8
きんときくんの発言に首を傾げていると、ふわりと首元に何かが降ってくる。
「きんときくん…？」
「もう、いつからここにいたの？このままだと風邪引いちゃうよ」
少し困ったように笑ったきんときくんは巻いていたマフラーを外して私の首元へと巻き付けたのだった。そういえば彼は昔から面倒見がよかったなぁと少し懐かしさを感じた。
「わ、悪いよ！きんときくんが寒いでしょ？」
「俺は大丈夫だから。ほら、手もこんなに冷えてる」
すっと手を取られて、私よりも大きな手のひらで包まれる。まるできんときくんの体温を分け与えられているような行為に戸惑いと恥じらいが混ざる。
「時間とか大丈夫かな？とりあえず何処かお店入ろう」
「え…でも」
「……正直なこと言うとさ、今俺やった！って思っちゃってるんだよね」
「……？どういう、」
ただの元同級生が失恋して沈んでいるどう考えてもめんどくさいシチュエーションなのに。どうしてきんときくんはこんなにも気にかけてくれるんだろうと思っていた。
「嫌だったらきっぱり断ってくれていいよ。俺、下心ありきでAさんに優しくしてる」
「……え？」
「俺、高校の時からAさんのこと好きだった。彼氏いるって言ってたから身を引いてたんだけどさ」
突然のカミングアウトに脳がついていけてない。え、きんときくんは私のことが好き…？しかも高校の時から……？
「これからは遠慮しなくていいってことだね」
にこり、高校の時から見慣れた爽やかな笑顔で笑うきんときくん。すっと差し出された手を取った私が彼に落ちるのもそう遠くなさそうだなぁと単純な自分に呆れてしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 394人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「WT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» コメントありがとうございます。励みになります。 (2023年4月16日 20時) (
レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - 最近とても更新してくれて嬉しいです！これからも頑張ってください!! (2023年4月14日 6時) (レス) id: 06d1bec9da (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» こちらが明記してなかったのですみません…。そのつもりでした。ただマフィアパロはいつか書きたいなとは思っていますのでもし時間ができれば頑張りますね。コメントありがとうございました。 (2023年2月18日 22時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - ぽんこつらーめんさん» 何処かにかいていましたか!?そしたら申し訳無いです…。 (2023年2月18日 16時) (レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» コメントありがとうございます。折角リクエスト頂いた所申し訳無いのですが一旦リクエストは1人1回までとさせて頂いております。申し訳ございません🙇 (2023年2月18日 15時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽんこつらーめん | 作成日時：2022年12月31日 20時
