牢獄のアリスは目覚めない【黄】 ページ49
軽快な音楽と共にこんがりと焼けたいい匂いがキッチンに広がる。ふんふんと鼻歌を歌いながらオーブンの扉を開ければ、焼きたてのクッキーが顔を覗かせた。
そして中から鉄板を取り出し、クッキーをお皿に盛り付け紅茶と共にトレーへと乗せる。零さないように気をつけながら奥の部屋へと足を進めた。
「入るよ〜……って、あ！」
声をかけてから扉を開けると、何処に隠し持っていたのかハサミを手にしたAの姿。俺は急いでトレーを部屋の机の上に置いてから彼女の傍に駆け寄った。
「も〜、危ないでしょ？こんなもの持ってたら」
手首を掴んでハサミを取り上げる。彼女の綺麗な肌に傷でも付いたら大変だ。早く処分しないと。
「ほら、クッキー焼いたからおやつにしよう？紅茶も淹れたからさ」
これ好きでしょ？と問うが彼女は無言でこちらを見つめるだけだった。緊張しているのかもしれない。それならやっぱりクッキーを焼いてきて正解だったかな。甘い物を食べたらきっとリラックスもできるだろうし。
「……ここからだして、」
「それはダメ。絶対ダメ。外は危ないんだから」
ぎゅ、と俺の服を掴んでこちらを見上げる彼女が可愛くて堪らないけれど。それだけは唯一、絶対聞けない願い事。
「それ以外ならなんでも叶えてあげるから。ね？」
ここで永遠に俺だけに愛されていて。
(早くこの悪夢から目覚めさせてよ)
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
モチーフ：不思議の国のアリス
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ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» コメントありがとうございます。励みになります。 (2023年4月16日 20時) (
レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - 最近とても更新してくれて嬉しいです！これからも頑張ってください!! (2023年4月14日 6時) (レス) id: 06d1bec9da (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» こちらが明記してなかったのですみません…。そのつもりでした。ただマフィアパロはいつか書きたいなとは思っていますのでもし時間ができれば頑張りますね。コメントありがとうございました。 (2023年2月18日 22時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - ぽんこつらーめんさん» 何処かにかいていましたか!?そしたら申し訳無いです…。 (2023年2月18日 16時) (レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» コメントありがとうございます。折角リクエスト頂いた所申し訳無いのですが一旦リクエストは1人1回までとさせて頂いております。申し訳ございません🙇 (2023年2月18日 15時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽんこつらーめん | 作成日時：2022年12月31日 20時
