欲張りなのは【水】 ページ41
青い鳥ワードパレット 第2弾
ｰｰｰｰｰｰｰｰ
太陽が傾きかけて、少しずつ肌寒くなっていく頃。車の中でかかっている音楽に合わせて歌う彼の歌声に聴き入りながら今日を振り返ってみる。楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうのだなと少し寂しくなった。
「この辺だっけ？」
「うん、あそこのマンションだよ」
なかむとのデートはいつも楽しくて、心の底からワクワクさせてくれる。彼は"喜んでる顔が見たいから"と毎回しっかり計画を立ててくれて、私のために色々考えてくれているんだなと思うと嬉しくなる。
「送ってくれてありがとう」
「どういたしまして。今日楽しかった？」
「うん、凄く楽しかったよ」
なかむは助手席の車のドアを開けて、私をエスコートしてくれた。こういうさり気ない気遣いにまたきゅんとしてしまう。そして終わりの時間が近づくという実感が色濃くなる度に離れがたくなる。……いつからこんなにも欲張りになってしまったんだろう。
「……どうかした？」
「あ…、なかむ」
バイバイを言わなくちゃいけない。そう頭では分かっているけれど、無意識に彼のコートの袖をきゅっと掴んでしまった。
「……………ごめんね、何でもないよ」
すっと目を逸らして掴んでいた手を離す。わがままを言ってなかむを困らせてはいけない。肩にかけた鞄を持ち直して彼の方へと目線を向けた。
「じゃあ、今日は本当にありがとう。楽しかった。また…ね」
「………待って」
バイバイと手を振ろうとしたら、ぱしりと今度はなかむに手首を掴まれる。吸い込まれそうな藍玉の瞳に見つめられて、ドキリと心臓が音を立てる。
「ごめん、送り狼になるつもりは無かったんだけど。……そんな顔されたら、帰したくなくなる」
「……っ、」
そっと両手で頬を包まれて、こつんと額同士が触れる。彼との距離の近さによる恥じらいと喜びが混ざって、思わず目を瞑ってしまった。
「嫌だったら振り払って。…もし拒まないのなら、攫ってもいい？」
その問にコクリと頷いて、降ってきた唇を受け入れる。
重なる2人の影を空に浮かぶ月だけが見ていた。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
※青い鳥に関してなんですが基本フォロリク通してるんですが
明らかにツイフィ読んでないなって方はすみませんが蹴ってます。
許可されないなって方は今一度ツイフィをよくご覧になって頂ければと思います。お手数ですがよろしくお願い致します。
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ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» コメントありがとうございます。励みになります。 (2023年4月16日 20時) (
レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - 最近とても更新してくれて嬉しいです！これからも頑張ってください!! (2023年4月14日 6時) (レス) id: 06d1bec9da (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» こちらが明記してなかったのですみません…。そのつもりでした。ただマフィアパロはいつか書きたいなとは思っていますのでもし時間ができれば頑張りますね。コメントありがとうございました。 (2023年2月18日 22時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - ぽんこつらーめんさん» 何処かにかいていましたか!?そしたら申し訳無いです…。 (2023年2月18日 16時) (レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» コメントありがとうございます。折角リクエスト頂いた所申し訳無いのですが一旦リクエストは1人1回までとさせて頂いております。申し訳ございません🙇 (2023年2月18日 15時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽんこつらーめん | 作成日時：2022年12月31日 20時
