苦さを打ち消して【紫】 ページ40
青い鳥 ワードパレット作品
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ぼろぼろと零れる涙を拭うこともせず、ただただその場に立ち尽くす。今、私の密かな恋は花を咲かせることもなく散っていった。
「……だから言ったろ」
「すま、いる…」
声がした方を振り返ると、呆れたようにため息を吐くスマイルが立っていた。彼はこちらへと近づいて、私の隣へ腰を下ろす。
「アイツの恋愛に協力して何の得になるんだよ」
「……うる、さい。仕方ないじゃん…っ、」
私の好きな人には別に好きな人がいた。それを本人の口から聞かされた私はショックと同時に「協力してあげるよ！」なんて思ってもないことを言ってしまって。少しでもいい人に思われたくて、チャンスがないかと期待して。
「ほんと、馬鹿すぎ」
「……っ、ほっといてよ。もう」
スマイルのストレートな言葉に腹が立つと同時にその通りだなと思う。ほんと、馬鹿みたい。
「…………いや、馬鹿は俺も同じ…か」
そう言ってスマイルは立ち上がると、俯いていた私の目の前に立った。
「おい、こっち見ろ」
「……は？何」
「1回しか言わないから」
下を向いていた私の顔を強引に上に向けた彼に何事かと思いつつも、いつになく真剣な瞳をしているスマイルに押し黙ってしまう。
「俺は、お前の事が好きなんだよ」
「………………は？え、」
「気付け、この鈍感女」
ぴん、と軽くおでこを弾かれる。突然の告白にピタリと涙が止まった。は、え？何…スマイルが、私の事を……すき？
「す、すまいる……今なんて？」
「は？…だから、1回しか言わないって言っただろ」
くるりと踵を返してドアの方へとスタスタあるくスマイル。そんな彼の耳はほんのり赤く染まっていて、彼の言葉に嘘はないのだと実感させられる。
「ほら、突っ立ってないで。帰るぞ」
そういえば、暗い時は家まで送ってくれるし、困った時は文句を言いながらも結局助けてくるし、恋の相談も何だかんだ聞いてくれてたし……あれ、スマイルって。
思い返せば思い当たることがいくつも出てきて、急になんだか恥ずかしくなってきてしまい目を伏せる。
「……おい、置いてくぞ」
なんて言いつつも絶対に待ってくれるスマイルに、単純ながら新たな恋が芽吹く予感がした。
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ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» コメントありがとうございます。励みになります。 (2023年4月16日 20時) (
レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - 最近とても更新してくれて嬉しいです！これからも頑張ってください!! (2023年4月14日 6時) (レス) id: 06d1bec9da (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» こちらが明記してなかったのですみません…。そのつもりでした。ただマフィアパロはいつか書きたいなとは思っていますのでもし時間ができれば頑張りますね。コメントありがとうございました。 (2023年2月18日 22時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - ぽんこつらーめんさん» 何処かにかいていましたか!?そしたら申し訳無いです…。 (2023年2月18日 16時) (レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» コメントありがとうございます。折角リクエスト頂いた所申し訳無いのですが一旦リクエストは1人1回までとさせて頂いております。申し訳ございません🙇 (2023年2月18日 15時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽんこつらーめん | 作成日時：2022年12月31日 20時
