ゆめくひ【水】 ページ39
「……っはぁ！…………はぁ、…っ」
がばっと勢いよく起き上がる。動悸と冷や汗が止まらない。なんとか呼吸を整えながらふと隣を見ると、そこにあるはずのぬくもりが無いことに気が付いた。
「……A、A？」
うわ言のように彼女の名前を呼ぶが、返事はない。酷く焦燥感に駆られて、ベットから起き上がり寝室を飛び出した。
どこ？A、どこにいるの…ねぇ。
「……Aっ！」
「…！？なかむ？どうしたの？」
キッチンに彼女の後ろ姿を見つけて、走る勢いのまま彼女にぎゅうと抱き着いた。彼女は驚いた顔をして俺に声をかける。
「え、なかむ？ほんとに大丈夫？何かあった？」
心配そうに俺の顔を覗き込むAの肩に顔を埋める。彼女は確かにここにいるんだと実感できたところでようやく心臓が落ち着いてきた。
「……ごめん、夢、みて」
「Aが…っ、おれの、めのまえで…」
彼女が自分の目の前でトラックに撥ねられて死ぬ夢。あまりにもリアルな悪夢だった。夢だと頭では分かってはいたが、どうしてもAの存在を確認したかった。
「隣見たら居なくて焦った。夢だってわかってるけど…怖かった」
「ごめんね。喉乾いたから水を飲みに来たんだけど」
「ん。何もなくて良かった」
コトリとコップを戻したAは未だ抱き締め続けている俺の手をぽんぽんと軽くたたいた。手を離すのが少し怖くて躊躇ったけれど、彼女の方から手を繋いでくれたのでそのまま寝室まで戻る。
また悪夢を見たらどうしようか。
そんな不安に駆られたが、それを察したのかAは「大丈夫だよ」「私はここにいるよ」と頭を撫でてくれる。俺はそれに甘えて、彼女にぎゅうとしがみついたまま目を閉じた。
今度はいい夢を見られそうな気がする。
___________
______
___
「夢で良かったね、」
なかむ。
ｰｰｰｰｰｰｰｰ
最後の一文の解釈はお好きにどうぞ。
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ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» コメントありがとうございます。励みになります。 (2023年4月16日 20時) (
レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - 最近とても更新してくれて嬉しいです！これからも頑張ってください!! (2023年4月14日 6時) (レス) id: 06d1bec9da (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» こちらが明記してなかったのですみません…。そのつもりでした。ただマフィアパロはいつか書きたいなとは思っていますのでもし時間ができれば頑張りますね。コメントありがとうございました。 (2023年2月18日 22時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - ぽんこつらーめんさん» 何処かにかいていましたか!?そしたら申し訳無いです…。 (2023年2月18日 16時) (レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» コメントありがとうございます。折角リクエスト頂いた所申し訳無いのですが一旦リクエストは1人1回までとさせて頂いております。申し訳ございません🙇 (2023年2月18日 15時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽんこつらーめん | 作成日時：2022年12月31日 20時
