ちびれんくん8

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紫耀side

それから夕飯を食べて、今度は頭痛も失神もすることなく

パクパクと食べてくれて俺らも自然と目が合った。


海「良かった、、」

「うん、とりあえずご飯と寝る事が出来たし、今日は完璧だね」

神「明日はどうかな…」


寝て起きたら記憶戻ってねーかなぁ

なんてぽつりとつぶやいた岸くん。


そうだよね、そんな夢みたいなドラマみたいなこと

起きてほしいって、自然と無意識のうちに願ってる。

そんなうまい話、現実にはあり得ないって分かってるのに。


海「また早く、廉と笑い合いたいなぁ。岸くんの事おじいって呼んでる姿が見たい」

玄「俺も。電車とか飛行機とかで遊んで、いつもみたいに豪快に笑う廉が見たい」


皆考えてることは同じ。

早くいつも通りのちびれんに1日でも早く会えますように＿＿。


そう願いながら、みんなこの日は眠りに付いた。





＊







＊



まぁ当然、ドラマみたいな奇跡は起こることなく

廉が記憶を失ってから早2か月が経過した。


その間に、何回か頭痛を起こしたり

記憶の断片的なのが浮かんで、気を失う直前に言葉を発したりしてて

起きたら…！なんて期待を抱いてたけど、それも簡単に裏切られる。


そんな生活が続いてた。


けど、その中で1つだけ俺らの中に起きた小さな変化

それは＿＿＿


廉「しょうー！行くよ〜」

「はいはーい、ちょっと待ってね〜」


前よりは少し距離があるように感じるけど

呼び捨て&タメで話せるように。


廉も、どの立ち位置に自分が居るのか分からなくてしんどいと思う

小さい時分にはどうしてパパやママが居ないのか。

兄でもない俺らと暮らしてるのか。自分は何者なのか。


そう疑問を抱いてると思う。

それでも俺らに優しく明るく接してくれて

たまに1人で泣いてるっぽいけど、、それでも俺らの傍に居てくれる

それだけで、俺らは嬉しかった。


だから決めたんだ。

廉の記憶が戻るまで、廉が不安に思わないように

全力で楽しませようって。


もちろん、記憶が戻ったらそりゃあ楽しませますけど。

今を全力で。それをモットーに頑張ることにした。


なんかそうすると、記憶が戻る。そんな気がしたから。





＊






＊



廉「おしゅなばー！」

「ふふ、泥んこだね笑」

廉「あ、ほんちょだ…ごめんなしゃい、」

「あぁ謝らないで？小さい子はこれくらい元気に遊ばなきゃ！」


そう言ってあげると笑顔が戻った。

まだこうやってたまに遠慮しちゃうけどね。

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