ちびれんくん8

▽ ページ32

紫耀side

「バイバイ、嫌だよね」

廉「あいっ、涙」


ご両親とのお分けれの時には絶対泣いてしまう。

それは多分、避けれない事実。


でも、まだ後3日もある。

その三日を悲しい記憶で埋めてほしくない。


なら頑張って俺が元気にして、また明日から遊べるようにしなきゃ。



＊



＊



＊



「れーん？」

廉「あい、」

「あのね。廉のパパとママが帰っちゃうのがね、3日後なの」

廉「3日…」

「そう」


長いようで短い3日という時間。


「寂しいよね。パパとママとお別れするの」

廉「ん、」

「けど、また会える。というか紫耀たちがまた会わせてあげる」

廉「ほんちょ？」

「うん」


こんな事言っても、今のお別れが寂しくならない保証なんて何処にもない。

だけど、もう会えないと思ってるような気がしたんだ。

だからそんな事はないってそれだけは分かってほしくて。


廉「また、あえりゅ？」

「うん、また会えるし、会わせてあげる。約束！」


そう言って小指を出すと、俺よりも小さな小指を出してくれて約束を交わした。


廉「あーと、、れん、寂しいけど…またあえりゅ、なら…だいじょーぶ」

「れん…」


っ…

こんな小さな子に、俺…何我慢させてるんだ。


「れん。泣いてはいいんだよ」

廉「え…」

「バイバイする時、誰でも悲しくなるの。だから、泣いちゃってもいいんだよ」


だから、少しその我慢を軽くしてあげたかった。

それに泣かないとも言ってるようにも聞こえた。

そんな悲しい我慢なんてさせたくない。




＊






＊



それから落ち着いたみたいで、ウトウトし始めた。


「よしよし、ねんねしようね〜」


抱っこ紐に入れてあげて、クルっとタオルで廉の身体を巻いてあげて

立ち上がって優しくトン…トン…と叩いてあげると

あっという間に眠りに落ちた廉。


「明日も沢山楽しい事しようね」


まだしんどくて、明日もそんなに元気に遊べるわけはないと思う

けど…少しでも元気でお父さんとお母さんと過ごせたら

そう願いを込めて、俺も隣に寝っ転がってそっと目を閉じた＿＿＿。




＊




＊




＊




翌朝、みんな同じくらいのタイミングで目が覚めて

すぐに廉の健康チェック。


廉「げーき！」

「うぉっ」


珍しい、大体発作を起こしたら

それが引くまで数日かかるのに。


お父さんお母さんパワーかな？笑


廉父「元気なのは良いけど、無理せんでな？」

廉「あい！」


それから今日は家で遊ぶことに決めた。

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