ちびれんくん8

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紫耀side

暫く様子を見守ってると、廉の目がゆっくり開いた。


「どうした？」

廉「しょ、こ…」

「抱っこ？」

廉(コクン)


頷いた後、怠いだろうに

必死に俺の方に小さい手を伸ばす。


「いいよ、おいで？」


その伸ばした手に応えるように俺も廉を優しく抱き上げてあげる。


「お父さんとお母さんじゃなくていいの？」

廉「あい、しょ…が、いい…」

「うん。分かった」


廉を抱っこして、ベットに腰かけて

背中を優しく撫でてあげる。


廉母「すっかり甘えとるね」

廉父「せやなぁ。昔っから甘え下手やったのに」

「今でもそれは変わらないですよ笑」

廉母「あら、そうなの？」

「はい。今も昔も。甘え下手で頼るのも苦手で、幼児化してからも我慢しちゃうことが多くて…」

廉父「そうやったん」

「でも、少しづつ廉の中『甘えたい』『頼りたい』っていう気持ちを作るのが早くなってきた感じがしますし、頼ってくれたり甘えてくれる事が幼児化して多くなったようにも感じます」


全然会えてなかったから

これでお父さんとお母さんが安心できるかどうかわからないけど…

またしばらく会えないと思うから

大丈夫だよってちゃんとご両親に伝えなきゃ。




＊







＊







＊


廉母「そうなんやね。少しづつ甘えられてるんは良い事や」

廉父「小さい頃からどうも苦手やったから。それだけが心配やってん」


聞けば、廉がお仕事を始めてから

身体が弱い廉の事を1番心配してたご両親。


頼る相手はいるのか、甘えれる相手はいるのか

といつも心配してたらしい。


「そうですよね。これからもっと廉の様子連絡入れますね」

廉父「ありがとう。安心できるよ」


中々会えないのなら、緑のメッセージアプリを使って

写真や動画、近況報告をすれば会いに行けなくても

廉の様子が分かるし安心できる。そう思った。




＊









＊









＊



それから2時間余り、点滴も終わり

抜針の為に渡辺先生と黒崎先生が来てくれた。


黒崎「うん。だいぶ安定しましたね」

「本当ですか！？」

黒崎「はい、お熱が下がればもっと呼吸も、身体も楽になる思いますよ」


その言葉に安堵した。

良かった…やっぱり点滴って凄いんだな。そう思った。

前々から点滴の凄さは知ってたけど

こんなにも凄くて安心したのは初めてだった


「ありがとうございます」


それから5日分の解熱剤、強めのお薬を頂いて

今度はお父さんに抱っこを求めた廉。メンバーの所に戻った

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