ちびれんくん8

▽ ページ27

紫耀side

黒崎「大丈夫ですか？」

「すいません…」

廉父「怪我とかしてへん？」

「はい。ありがとうございます」


廉のお父さんにまで心配かけて

黒崎先生にまで…あぁ、情けない。


廉「しょ…っ、涙」

「よしよし、痛かったね。チックンよく頑張ったね」


立ち上がって廉の元にしゃがんで

頭を撫でながらうんと褒めてあげる。


廉「んふっ…涙」


そうすると、涙はまだ出てるけど

嬉しそうに笑ってくれるんだ。


黒崎「あ、どうも。初めまして。廉くんの担当医の黒崎と申します」

廉父「どうも、廉がいつもお世話になっとります」

「黒崎先生は廉の、心臓病の方の担当の先生で…」

廉母「そうやったんですね。いつも泣いて迷惑かけたりしてませんか？」

黒崎「全然！泣いちゃいますけど、最後はこうやって頑張る事が出来るので。迷惑なんて全然」


お2人とも優しい言葉を掛けてくださって

そのお陰で、お父さんもお母さんも安心したような表情に変わった。




＊






＊







＊


それから、黒崎先生も診察をしてくれた。


黒崎「悪化してる様子は見受けられないですが、ちょっと負担が大きくかかってますね」

「そうで、すか…」

黒崎「はい。ちょっと今日から2種類ほどお薬追加しても大丈夫ですか？」

「はい。それは全然…」


悪化してるわけではないけど

新しくお薬を追加し、それの原因が

心臓に大きく掛かってる負担の所為。なんて聞けば

自然とテンションが下がってしまう。


いつも頑張ってるのになぁ…

痛くて苦しい発作にも頑張って耐えて

嫌いな病院、お薬だって泣きながらも飲んでくれてるのに

少し熱が出たり発作が出ると、負担がかかり、体力もかなり奪われてしまう。


…でも、まだいい方なのかも。

入院になってないだけ。

そう思うようにして何とか気持ちを切り替える。


黒崎「落ち着けば、このお薬は飲まなくても大丈夫ですので」

「分かりました」


期間限定。ってことに

安堵する。ずっと飲まなければいけないのかと

思い落胆してたから。飲み終わる目安が分かっただけ良かった。





＊






＊




それから渡辺先生が、ここよりもお部屋の方が休めると思う

そう言ってくださって小さなお部屋を用意してくれて

点滴が終わるまでここで休んでください。そう言葉を残して部屋を出た。


廉母「れん…」

廉「すぅ、すぅ…」


泣き疲れて眠ってしまった廉の頭をそっと撫でる

早く元気になってまたお父さんたちと遊ぼうね

▽→←▽

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す