ちびれんくん8

▽ ページ23

廉父side

廉「はぁ…はぁっ、っ…」

「苦しいな」


メンバーさんから預かってた、酸素マスクを

廉の口に当てて酸素投与を続けてるんやけど

中々楽にならない廉の呼吸。


廉母「しんどいなぁ、ゆっくり息しような〜」

廉「はぁっ、んっ…はぁ、ふぅ…」


小さいながらも、頑張って深呼吸をしようとしてくれてる廉。

えらいなぁ、ホンマ。

小さい子からそう言う感じやったな廉は。


自分の為…というよりも、周りを安心させるために

頑張って元気になる廉。

それは幼児化した今でも変わらないんやな。




＊







＊





＊




紫「大丈夫ですか」

「あ、紫耀くん」

廉母「ごめんな、起こしてもうた？」

紫「全然。目が覚めちゃっただけなんで」


そう言って、優しく笑いながら

廉の傍に座って、酸素を調整してくれてる。


紫耀くんが来て数分後

魔法を使ったん？と思ってしまうほど、呼吸が楽になった様子の廉。


「ありがとな、紫耀くん」

紫「いえ。お父さんたちが居てくだって嬉しいです」


こんなにいい人がメンバーなんて

ホンマ感動する。


紫「廉、怠い？」

廉(コクン)

廉母「怠いやんな」


そういや昔もそうやったな

発作の後は物凄い倦怠感に襲われるらしくて

ベットの上から起きる事もままならんで

1日中眠ってた廉。


「横になるか？」

廉「やぁ…まぁ、の抱っこ」

紫「ふふ、廉。沢山甘えなね？」


廉の頭を優しく撫でた紫耀くんは

おやすみなさい。そう言ってまた寝に上がった。


廉母「やっぱ紫耀くんは凄いわ」

「ホンマ。廉の苦しさをあんな一瞬で治してまうなんてな」


紫耀くんが居てくれて

ホンマ助かった。

居なかったら今こうして、眠ってる廉の寝顔を見れへんかったと思う。


廉「すぅ…すぅ…」

「明日まで続くんかな、倦怠感」

廉母「どうやろか。昔と同じ病気やって言うてたから。きっと」

「そうやんな」


昔の苦しい記憶がよみがえる。

でも…一番大変でしんどかったんは、廉本人やんな。

痛い発作に耐えて、息が苦しくなって

解放されたと思ったら息苦しさと倦怠感が襲ってきて。


幼少期の出来事も重なって

病院嫌いになってしまったんよな。


1歳ごろまではそんなにイヤイヤいうような子やなかったもん。

かといって、病院大好きー！っていう

感じの子でもなかってんけど…


泣いて暴れる事は無かったから

楽な子やってんけど…入院したり怖い病院に当たってから

病院が嫌いな子になってしまったんよ。

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