としみつが卍を切りたいようです ページ9
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その後、しばなんハウスに別れを告げ、1泊2日の東京トリップは終了した。いや、まだしてなかったわ。だっておうちに帰るまでが遠足だって昔先生が言ってたもの。
にしても、2日目が楽しすぎて1日目の観光の記憶がすでにない。誰1人として声をかけてくれなくてショックで記憶が飛んだ。赤髪で気付かれないって相当よ。
……まぁそれはいいとして。次に東京行くときは誰かとコラボ動画撮りたいなー。ど派手な企画を一発かましてやろう。楽しみだ。
都内を駆け抜ける新幹線の窓に肘をつき、淡いピンク色の夕焼け空を眺める。しかし私は重要なことを忘れていた。
「……仲良いYouTuberいなくね?」
いや無理。かなし。つら。もういいや岡崎帰ろ。てつやの人脈のおこぼれもらお。
情緒不安定かよ、というとしみつのツッコミが聞こえてきそうである。
と、そのとき。手元のiPhoneが震えた。
おい
やば、マジで聞こえた……
は ?
何時に駅着くん ?
18時ですありがとうございます。
いやまだなんも言ってねぇ
神様仏様としみつ様
編集と概要欄で手を打とう
泣いた
着いたら電話して
迎えにきてくれるらしい。神様や。しゃーない。編集代わってあげよ。……ん?もしやこいつ、これが目的だったんじゃ……?
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「もしもしー?着いた!」
と「おー、俺ももう着いとる」
到着後、一言二言交わして構内を出ると。
と「おかえり」
車の窓から手を出し、ゆらゆらと手を振る彼。普通に神様だなぁイケメンだなぁ。そう思っていた頃が私にもありました。
「……いやなんでてつやの車で来たの?」
と「俺の車、今車検だから」
目の前には黒のヴェルファイア。フロントにはギャル御用達のファーとマイメロ。変なネオン。極め付きのDAD。
やべぇ岡崎やべぇ。これ乗りたくない。お前プライドないんか?こんなん一番嫌がりそうじゃん。
「クソ恥ずいから早く乗ってくれ」
マジで嫌そうなその顔に死ぬほどツボっていたらさすがに怒られた。そして案の定目立ってしまい、近くを歩いていた2人組の女の子と目が合って。
「写真撮ってもらってもいいですか……!」
「この車卍切ってるやつですよね?ww」
4人でDQNカーと共に、シャッターと卍を切ったのだった。
卍我等地元最強卍
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作者名:V | 作成日時:2018年9月6日 0時