Part.3 ページ49
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裁判は、私が少し不利になった状態でなおも続いてゆく。
て「で、A誘ったけど先約があるって断られたから、諦めて違う子を誘いました」
と「先約?」
り「俺とのごはんの約束」
て「………は、?」
と「りょうかよ!」
虫「なにそれめちゃくちゃおもろいやん」
り「一ヶ月前から決めとったもんね?」
「うむ」
て「ねぇちょっとマジでありえんそれは、」
珍しくてっちゃんがバチバチしている。
ゆえに、てつやをムキにさせたAって結構重罪犯したんじゃね?的な空気が漂っている。
し「Aはそれどうやって知ったの?」
「マホっちゃんが教えてくれた」
て「マジか…!」
虫「それでてっちゃんに確認したら記念撮影してたこともわかって、なんかおもしろいから僕らの目につくとこに写真置いとこ!ってなったのか」
…ばれちまったらしょうがない。
隣ではうずくまったペチカをりょうくんがからかっている。
顔が生き生きしとる。
虫「…わかりました。この事件はね、てつやが絶対的に悪い。それは当然」
そりゃそうだよ。罰ゲームさぼったんだから。
さて、一体どんな罰が…
虫「けど、Aも悪い」
「…は?」
虫さんが衝撃的なひとことを放った。
え、なにそれ。本気で言ってる?
虫「彼の気持ちをもてあそびましたね?」
「はぁ…!?」
虫「相手の好意を知っていながら、動画のネタにするためにその気持ちを踏みにじりましたよね?」
「お、おーい虫さん?」
り「なにこの展開w」
虫「てつやとA、両方有罪です!なので2人には罰を受けてもらいます!」
と「そんなんおもしろすぎだろww」
「…異議しかない!」
真剣に理解が追いつかない。
虫さんこそ動画的に私を有罪にしたでしょ!
こんなのリアル逆転裁判じゃん、控訴だ控訴!
「そういうおふざけをするのがうちら東海オンエアじゃん!」
虫「皆さんも覚えておきましょう。『策士策に溺れる』、まさに今のAのことですね」
「聞けよ!」
この後、どれだけ反論しても、死ぬほど楯を突いても、逆転の逆転を成し遂げることはできなかった。
てつやは一ヶ月半のペチカ生活延長を宣言。
そして、みんなの無言の威圧に負けた私はというと。
てっちゃんが買い出し当番の際は、必ず私がペアとして同行する、などと述べてしまった。
みんなめっちゃ喜んでた。
虫「てつやの罰ゲームとかAの策略とか、自分から仕掛けといて結局自分で十字架背負うやつ多すぎん?」
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作者名:V | 作成日時:2018年9月6日 0時