Part.2 ページ30
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【 サブチャン 】
と「Aの携帯を隠したのは俺…」
「おれ…?」
と「………ではありませんっ!」
「すみませんでしたぁぁあ!」
り「プライドないぞあいつ」
土下座の勢いがやばすぎて埃が舞った。ぞーし最近掃除さぼってね?と、見当違いな感想が頭をよぎる。
「さっき引っかかったじゃん…」
と「俺は初動だ」
「ややこしいわ!」
と「テーブルに携帯放り出してるお前が悪い」
「無法地帯かここは!トリニダード・トバゴか!」
て「な、あの国めっちゃいいところだかんね!」
1回目の挑戦、あえなく失敗。無罪放免のとしみつが踵を返しかけた、そのとき。
と「…っあ!?」
「行かないで!」
無意識に彼の足首を掴んでいた。某ビジュアル系エアーバンドが歌う女々しい曲のPVにて、冒頭に流れるあのシーンくらい必死に。伝われ。
と「び、びったぁ…危ね!なんなん?」
「頼み事するときは上目遣いがいいって誰かが言ってたから」
と「だとしても誰が足元から見上げんだ、首90度曲がっとるし」
「じゃあやり直す」
すく、と立ち上がり目の前の両肩に手を置いて。
「君の助けが必要なんだ、相棒」
と「礼は弾むんだろうな」
「愚問だね」
相棒と肩を組んでいると、茶番はいいから早く当てて、とてっちゃんが催促してきた。
「やけにせっかちだな…怪しい。相棒、こいつなんかにおわないか?」
と「また2日間風呂をさぼっているらしい」
「そっち?まぁ逮捕するけど。風呂に留置しておこう」
虫「君たちコント中?とりあえずてつやでもいいから一旦指名してくんない?」
「虫さんがさり気なくてつやに罪をかぶせようとしてるみたいに見えてきた」
と「たしかに。見える」
「全然役に立たんな相棒」
身長差のせいで肩が組みづらくてしんどいので、もう終わらせようと思います。最悪4人分土下座しよ。
「…よし、決めた。ゆめまる。犯人はあなたです!」
ゆ「え…俺?急になんで?」
「わからん!犯人になってくれ!」
虫「は、雑すぎん?」
「犯人だろゆめまる!」
ゆ「…………俺だぁ!」
……え?まさかの正解?は、え、マジ?
り「これはつまらんなぁ」
「え?」
り「Aはあとで俺にも上目遣いしてくれるんだよね?」
「えっ?」
て「は、ずる!わしも!」
一見、携帯を探すだけのこの動画だが、実は『最近のりょうくん、紳士からチャラ男に転向した説』という問題提起VTRでもあるとか。ないとか。ない。
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第一回 口ゲンカトーナメント!→←うちの子が携帯とプライドをなくしました
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作者名:V | 作成日時:2018年9月6日 0時