58. カン先輩 ページ8
A ｢いえいえ ﾆｺｯ｣
あーあー、だらしない顔して…
部長 ｢それじゃあ、早速いただこうかな｣
A ｢はい、どうぞ！｣
部長 ｢おう、美味いな！｣
A ｢本当ですか？お口に合って良かったですﾆｺｯ｣
部長 ｢か、可愛なぁ…(ﾎﾞｿｯ)｣
ちょろい。単純すぎる。
お昼になり、お手洗いへ行くと
A ｢あ…｣
カン ｢？、あ…｣
A ｢あ、えっと…大丈夫ですか？｣
カン ｢？｣
A ｢さっきの。部長、いつも以上に言ってたから｣
カン ｢別に、大丈夫ですけど…｣
A ｢あ、そうですか！それなら、安心しました。じゃあ｣
軽く頭を下げて、カン先輩の横を通り過ぎると
カン ｢お上手ですね｣
A ｢え？｣
カン ｢部長に気に入られるのが｣
A ｢……｣
カン ｢私は、あなたが羨ましいです｣
A ｢…そんなことないですよ｣
カン ｢そんなことあります。…あなたは、私とは違うから。器用だし、気が利くし、美人でスタイルもいい。私は何も持ってないから、羨ましいんです｣
A ｢私とカン先輩が違うのは当たり前のことですよ｣
カン ｢……｣
A ｢人間、一人一人違う個性を持ってるから面白いんです｣
カン ｢個性？｣
A ｢カン先輩にもあるはずです。必ず誰しもが持ってる隠れた才能や特技が。まだ見つけられてないなら、私も一緒に探させてください｣
カン ｢私なんかに、そんなものあるわけ A ｢見つける前から諦めないでください！まだまだこれからですよ！…だから、何も持ってないだなんて言わないでください｣
カン ｢どうして、そんなに私のこと…｣
A ｢…あなたは、今まで沢山我慢してきた。よく頑張りましたね｣
私がそう言うと、
カン ｢…(泣)｣
カン先輩の目から一筋の涙が
カン ｢初めて言われました。｢頑張りましたね｣って、初めて…(泣)｣
きっと彼女が自分に自信を持てなかったのは、周りが中々認めてくれなかったからだろう
感情をあまり表に出さないカン先輩が涙を見せた。
その姿に、彼女の苦労が垣間見えたような気がした
数日後…
休日、集合がかかり店に行くと
A ｢あれ？｣
テミンが下のカフェでバイトしていた
A ｢テミン、上行かないの？｣
TM ｢あぁ、実は…｣
A ｢？｣
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作者名：NATZU | 作成日時：2021年10月1日 2時
