89. 辛辣男と結婚するフリ ページ42
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A ｢あっ！！あの辛辣男！！！｣
LH ｢…辛辣男？｣
A ｢あ、いえ。なんでもありません｣
LH ｢……お前、もしかして俺のこと忘れてたとか？？｣
A ｢え、逆に覚えてたの？…あ、すみません！つい｣
ま、じ、か…
LH ｢お前あれだろ？パーティーのとき俺のこと覗き見してた奴だろ？俺は随分と前に気づいてたのに｣
いや怖っ
確かにあのとき目合った気がしたけど、一瞬だったし
でもこの人、その一瞬を覚えてたなんて…怖すぎ
A ｢言い方悪っ。あれはたまたま通りかかったときに、あんな豪華なパーティーで痴話喧嘩してる人もいるんだなって思って、そのまま通りずらかったので足を止めただけです｣
LH ｢あれは痴話喧嘩じゃない。女が勝手にまとわりついてきただけだ。俺がレベル低いみたいな言い方するな｣
A ｢あんな言い争いをあの場でしてる時点でレベルは下がってるかと…｣
LH ｢は？｣
A ｢なんでもないです｣
LH ｢それにしても、この俺の顔を一度見ておいて忘れる奴がいるとはな｣
A ｢それはいますよ｣
LH ｢あ？｣
A ｢だからなんでもないですって｣
LH ｢まぁとにかく、今後も俺たちの結婚に向けて色々と進んでいくわけだが、本気で結婚する気なんてさらさらない。だから、フリだけして籍は入れない｣
A ｢そんなことできます？反対するわけではありませんが、もし仮に最初は隠し通すことが出来ても、いずれはバレます｣
LH ｢その心配はない。結婚したくないという気持ちが伝わればいい。そうすればきっと父さんも考え直してくれるだろう｣
A ｢なるほど…。分かりました、ご協力します｣
A ｢なんて言ったけど普通にやばいよね？｣
TM ｢うん、やばいね。Aの任務はジアさんのフリをすることだからね。つまりそれは、ジアさんのフリをして予定通りルハンさんと婚約しなければいけないってこと｣
A ｢ですよねー。でもさ、向こうから出された提案だよ？断れなかったって言えば大丈夫じゃない？｣
TM ｢どうかな？ " 断るのも何でも屋の仕事だろう！" って言われれば終わり｣
A ｢…やっぱり断るしかないか｣
TM ｢もし婚約の話が破談になれば、会社の将来に関わるからね。それは向こうの家も一緒のはずだけど、ルハンさんはどうしてそこまで結婚したくないんだろうね｣
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作者名：NATZU | 作成日時：2021年10月1日 2時
