88. 無愛想な婚約者 ページ41
そのあとも食事しながら話してはいたけど、主に会話を進めるのは親同士で、私はというと時々話を振られたときに答えるくらいだったので楽は楽だったけど…
ファン会長 ｢ではそろそろ、我々は退席することに致しましょう｣
A ｢え？｣
ファン会長 ｢ルハンもジアさんも大人しいと、中々2人で話すタイミングもないだろう。せっかくだ、ゆっくり話すといい｣
いや、変な気遣いいらないんだけど
2人きりとか、絶対気まずいやつだし…
父親の方を向き、目で助けを求めると
父 ｢はい、そうですね。あとは若い人同士で｣
A ｢！？｣
思わず心の中で睨む(？)
A ｢(許さん、絶対許さん)｣
なんて思ってる間に退散していく両親たち
父 ｢帰りの迎えは呼んであるから、好きなだけゆっくりするといい｣
A ｢(は？)｣
それだけ言い残すと、
ガチャ バタン
A ｢……｣
LH ｢……｣
ほら気まずい
大体初対面の人相手に何を話せと？
とはいえ、このままってわけにもいかないし…
A ｢ルハンさん、でしたよね？初めまして、ジアと言います。｣
LH ｢……｣
じっとこっちを見るだけで、何も言わない
無視かい
A ｢ルハンさんは趣味とかあります？｣
LH ｢……｣
おい
仮にも結婚するおなごがこんなに頑張って話しかけているというのに、どこまで無視を決め込むつもり？
LH ｢…お前｣
あ、話した。…ん？お前？
A ｢え？｣
LH ｢俺が本気で結婚するとでも？｣
A ｢は？｣
なに？何をいきなり言い出すんだ、この男は！
A ｢えっと、どういう意味ですか？｣
LH ｢いくら父さんが決めた相手でも、俺はお前と結婚なんかしない｣
A ｢それは…許されるのでしょうか？｣
LH ｢許されるわけない｣
A ｢は…？｣
思わず呆気に取られる。大丈夫なのか、この人
A ｢許されないの分かってるのに結婚しないっていうのは、少々難しいのでは？｣
LH ｢あぁ。だから協力しろ｣
A ｢協力？｣
LH ｢俺と結婚するフリをしろ｣
A ｢結婚するフリ？｣
なんだこいつは。綺麗な顔してるくせに随分と偉そうな、、ん？
綺麗な顔…
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男 ｢遊びも何も、俺たち別に最初からそういう関係じゃないし｣
男 ｢お互い都合のいいように利用してただけだろ｣
男 ｢俺はお前のキープになった覚えはない｣
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作者名：NATZU | 作成日時：2021年10月1日 2時
