74. 新たな依頼 ページ26
それだけ言うと、部屋をあとにした
すると
BoA ｢A！｣
ボアオンニがあとを追いかけてきた
家を出たとこで、その声に足を止める
A ｢オンニ…｣
BoA ｢…A？｣
A ｢私、やっぱりさ…っ｣
なぜだか分からないけど、思わず涙が出てきた
A ｢やっぱり、あの人のこと…許せないよ｣
A ｢思ってたより嫌な人じゃないし、お母さんが選んだ人だからきっと良い人なんだろうなって…私たちのこと考えてくれてたのもよく分かったけど、でもっ…｣
BoA ｢分かった、分かったから…もう何も言わなくていいよ…｣
ボアオンニは私を包み込んでくれた
BoA ｢よく頑張ったね｣
A ｢っ…｣
しばらくして、私が泣き止むと
BoA ｢よし、帰ろっか！私たちの家に｣
A ｢…うんっ！ありがとう、オンニ｣
BoA ｢んー？何が？｣
A ｢そばにいてくれて｣
BoA ｢当たり前でしょ、家族なんだから｣
A ｢笑｣
BoA ｢笑。さぁ、今日の夕飯は何かなー？｣
A ｢…カレーとか？｣
BoA ｢私、お肉がいいなー｣
A ｢カレーもお肉入ってるよ｣
BoA ｢あれは肉料理じゃない。そうだ！テヨン達にAからお願いしてよ｣
A ｢えーやだよ｣
BoA ｢なんで〜、いいじゃん笑｣
A ｢笑｣
数日後…
私はあれから、代わり映えしないいつも通りの生活を送っていた
決して父親のことを忘れたわけではない。むしろ、一生忘れられないと思う
それでも、私は私なりに前に進もうとしていた
そんなある日のこと。この日は休日で、店に来て何でも屋の仕事をしていた
すると、
ガチャ
ドアが開いて、階段を上ってくる足音が聞こえる
誰かが戻ってきたのだろうと特に気にせず作業していると
YE ｢あの、ご依頼ですか？｣
イェリの声に、後ろを振り向く
A ｢え…｣
？ ｢はい｣
私はその人物に見覚えがあった
A ｢何で…｣
父 ｢A｣
YE ｢？｣
TM ｢A、知り合い？｣
A ｢……いや、知らない｣
TN ｢え、でもさっきAって…｣
父 ｢キム・Aさん。あなたにお願いがあります｣
A ｢……｣
応接室に移動して
A ｢あの、どういうつもり？｣
父 ｢先ほども言った通り、君にお願いがあって来た｣
A ｢…用件は？｣
父 ｢A、君に娘の身代わりになってほしい｣
A ｢は？｣
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作者名：NATZU | 作成日時：2021年10月1日 2時
