72. 実の父親 ページ24
門の前でオンニと話していると、中からメイド服を着た人が出てきた
A ｢あなたは？｣
メイド ｢申し遅れました。私は、使用人のソン・ジヨンと申します。旦那様が中でお待ちです。ご案内いたします｣
BoA ｢お願いします｣
ジヨンさんに案内され中に入ると、外観通り長い廊下に広々とした部屋がいくつもあり、目にする何もかもが豪華で
そんなところに、Tシャツの上にカーディガン着て下はジーンズというカジュアル代表みたいな格好で呑気に来てしまった私は、なんと言うか…
A ｢私、絶対場違いだよね？｣
BoA ｢気にすることないわよ、家の中なんだから｣
A ｢いや、でも｣
ジヨン ｢もし、お召し物がお気になさるようでしたら、すぐにでも着替えをご用意いたしますが…｣
A ｢あ、いや！それは、大丈夫です｣
ジヨン ｢そうですか。ご要望があればなんなりとお申し付けください｣
A ｢ありがとうございます｣
ジヨン ｢只今旦那様を呼んで参りますので、この部屋でお待ちください｣
通された広すぎる部屋の中心には、大きなテーブルが置かれていた
BoA ｢分かりました｣
ジヨン ｢お飲み物はどうされますか？｣
BoA ｢じゃあ、紅茶をお願いします｣
ジヨン ｢かしこまりました。A様はいかがなさいますか？｣
A ｢私は…お水で｣
ジヨン ｢かしこまりました。すぐにご用意いたします｣
失礼致しますと言って部屋を出ていったジヨンさん
ボアオンニと2人だけになると
BoA ｢それにしても、相変わらず広い家ね｣
そう言いながら部屋を見渡す
A ｢オンニ、来たことあるの？｣
BoA ｢まあね。と言っても、かなり前だけど｣
A ｢…そうなんだ｣
BoA ｢でも、こんなに広いと迷子になりそうね｣
A ｢ほんと。これじゃあ、1人でトイレも行けないよ｣
BoA ｢ふふ、そうね｣
すると、
ｺﾝｺﾝｯ
部屋をノックする音が
BoA ｢来たみたいね。はーい｣
ガチャ
父 ｢お待たせしました｣
A ｢！…｣
この人が…私の…
BoA ｢お久しぶりです｣
父 ｢お久しぶりです、ボアさん｣
その人はボアオンニから隣にいる私に目線を移すと
父 ｢…A｣
A ｢……｣
父 ｢会いたかった｣
A ｢っ…｣
父 ｢今まで、迎えに行けず申し訳なかった｣
A ｢…迎えに行けず？嘘つかないで。来なかっただけでしょ｣
BoA ｢A｣
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作者名：NATZU | 作成日時：2021年10月1日 2時
