夏の魔法３

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「のんちゃん甘えたさんやもんな。
クールな流星には、
あんぐらい素直な子が合うてるわ」


「とも、それとこれとは別やからな」


「ん？どういう意味？」


聞き返した時に、
電車が入ってきた。

ドアが開いて・・・


乗り込もうとした時。


「嫉妬させた責任取ってや」


耳元に囁かれた。


そんなん言うたら、だいもやん。


淳太、淳太って。


それに、あんなドキドキさせたり、
散々、振り回してきて。


俺、ハートもたんって。


ていうのは、声にはならへん。

だいはずるいねんて。


俺かってさ・・・


責任取って、甘やかしてもらいたいのに。






当たり前のように、
俺んちの最寄り駅で電車を降りてさ。

改札を抜ける。

裏通りに入ってすぐに、
だいの腕につかまる。

だい、ちょっとびっくりしたみたい。

耳が赤いような気がするもん。


「とも、どしたん？」


「責任！
だいが言うてんやろ？
責任取れって」


「あ・・・うん。言うたけど」


「だい、照れてる」


「そら、不意打ちやったから」


「あかん？」


「大歓迎に決まってるやん」


そう答えた、だいは、
急に一瞬、立ち止まって。


キスなんかするねんもん・・・


「だいのが不意打ちやん」


「とも、真っ赤っか。可愛え」


「だいも責任取って」


「ん？なんの責任？」


「ドキドキさせた責任」


「もちろん、取ったるで。
覚悟しとき？」


「何を？」


「そら、今日は寝かせてやれへんかも」


「なっ、それはあかん！
明日はイブやのに！
デートするんやもん」


「そうやな！
明日にお楽しみはとっとくか」


だいの意地悪は分かってるねん。


「今日もちょっとはええもん・・・」


俺から言わせるん、上手いねんもん。


「ちょっとだけ？」


「・・・いっぱいがいい」


「とも、えっちやなあ。
ほんま最高に可愛え彼女や」


「ちゃう！
だいが悪いねん！」


「俺んせいでえっちなんか。
男として最高の褒め言葉やな」


「だいのあほ。
けど、好き」


どうしても言いたくなってん。


だい、ほんまのほんまに、驚いたみたい。


息呑んで、俺を見つめて。


しばらく無言でぼんやりしてたくせに。

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