夏の魔法３

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意を決して聞いてみたら、
淳太、目をまん丸にした。


「気になんねや？
神山、やきもちか？
相変わらず可愛ええなあ」


「ちゃうけどっ。
高校の時、あんな恋愛苦手やったのに。
手慣れてるっていうか。
余裕あるから。
離れてた間に何があったんかなって」


「つまり、やきもちやんか、可愛ええな」


「気になるねん」


「んー、俺から言うてええんか分からへんな。
しげに直接聞いた方がええんちゃう？」


「聞かれへんから聞いてんのに！
淳太のケチ」


「ケチって。
生徒の個人情報漏らされへんやん」


「うー」


話してたら、
不意にだいがキッチンに入ってきて、
息止まりかけた。

さっきまで、
流星と、中学生男子みたいなノリではしゃいどったくせに。


「二人してなんの内緒話してんの？」


俺が盛り付けてるチーズ、
勝手につまんで聞いてくる。


「あー、神山がな、
しげの過去の恋愛が気になるねんて」


だー！！！

淳太のあほ！


「淳太、なんで言うんっ！！！
信じられへんっ。
教師のくせにっ」


もう、だいの顔、見られへんやんっ。

淳太、


「教師やからこそやろ。
本人に聞くのが一番やと判断したまでや。
じゃ、このお皿あっち持ってっとくな」


淳太、にまっと笑って、
さっさと逃げてった。


残された、俺とだいの二人。


き、気まずい・・・


「だい、あのさ、忘れてくれてええで、
さっきのんは」


知るのも、実は怖いねん。


経験人数多くても嫌やしさ、
もし一人だけと大恋愛しとったりなんかしたら、
俺、立ち直られへんもん・・・


「とも、過去のこと気になっとったん？」


だいの方から振られてしもたやん。

淳太めー。

教師たるもの、秘密は守るんちゃうんかーい。


「ま、あ。
だい、慣れてるから。
高校の時、あんな純情やったやんか。
やからギャップが凄まじい言うか」


「・・・高校ん時はな！
俺、恋愛にビビっててんな」


「なんで？」


「周りの奴らも、
自分の中学の時の彼女もやけど、
すぐひっついて別れるやん？
そんで気まずなったりさ。
俺、とものことは、
失いたくなかってんな。
恋愛したら別れが来るって信じ込んでた」

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