夏の魔法３

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「聞いてるこっちが恥ずかしなるわ。
そんでも幸せそうで良かった。
神ちゃんもな。
二人とも愛されオーラ凄まじ過ぎる」


案の定、桐山課長にからかわれたやん。


「やっぱり滲み出ちゃってます？
流星がな、なかなか手ぇ出してこおへんかったん、
実は、俺が初めてなん知って、
怖がらせんようにしてくれとってんて！
しげ、どうやった？
神ちゃんが初めてやて知って喜んでたやろ？」


のんちゃんは、嬉しそうに、
恋バナしてはしゃいでるけどな。


「う、うん・・・まあ、驚かれたけど」


俺には照れしかないわ。


やってつまりさ、

みんなに、だいと結ばれたってことを、
自ら暴露したようなもんやし・・・

いや、付き合うてるってことは、
イコールそういうことするもんやねんから。


当たり前なんかもしらんけど。


俺の恋愛経験値、
高校生で止まってたから。


「神ちゃん、めっちゃ照れるやん。
純情さんやねんな。
しげが可愛いがるはずやわ」


桐山課長に指摘されて、
照れるなんてもんちゃうって！



そこに、買い物から淳太が帰って来た。


「あの５歳児のしげが、
神山の前でだけ、
大人の男なるからな」


ケーキの箱抱えて、
キッチンに入って来た途端に、
からかわれた。


「ほんま、神ちゃんには特別よな。
俺らん前でも、
独占欲隠せへんし、急に雄なるよな。
度を超えたシャイなんか思てたのに」


桐山課長が言えば、


「まあ、あいつ、根は男っぽいからな」


何気なく、淳太が答えてる。


淳太は、だいの過去のこと知ってんのかな。

なんであんな慣れてんのか。


気になる・・・


桐山課長とのんちゃんが、
出来上がった手巻き寿司とサンドイッチを、
リビングに運ぶために出てった。


冷蔵庫にケーキをなおしてる淳太の背中に。


「淳太、あのさ」


勇気を振り絞って、声かけてみる。


「ん？何？」


「あの、しげの事やねんけど」


「うん？」


淳太が振り返った。


「えっと、何でもないねんっ」


「何でもなくなさそうやん。
教師たるもの秘密は守るから言うてみ？」


淳太が屈んで俺の口元に耳寄せてくる。


「あんな、しげの過去の恋愛事情って知ってる？」

３→←おまけのおまけ。

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