夏の魔法３

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「神山課長さんは。不安になったりしませんか？
重岡さんの元恋人のこと知っても」


直球な質問に、思わず、周りを見回してまう。


「望くん、ここではあかん」


しって、人差し指たてたら。


「すいません。
あの、俺、もっと、神山課長さんと話したいです。
今日この後ってお時間ありますか？」


甘えた顔して聞いてくる。


「あるけど・・・」


言葉濁す俺に。


「すいません、迷惑ですよね」


しゅーんてしてしもてる望くん。


「いや、そんなことないけど。
望くんの方が有名人やし、ええんかなって」


「大丈夫です！
食事でも行きませんか？
僕、ご馳走するんで！」


ガシッと腕掴まれて、
無垢な瞳で見つめられたら・・・

断れるわけないやん。












のんちゃん(本人にそう呼んでって頼まれた)て、

国民の弟言われとるだけあって、
可愛い気の塊みたいな子。

そう、例えるなら、大型犬みたい。


懐っこいのんちゃんの性格のおかげか、
すぐにすっかり打ち解けてしもて。

あの日を境に、
連絡頻繁に来るようになって。


ここ、ひと月弱、
流星抜きで、
時々会うようになってるねんな。


決まって、人目を避けて、俺んちやねんけど。


だいは望くんならええよって感じで、
気にしてへんみたい。


だいも一緒の時もあるし、
二人きりの時もある。


結構赤裸々な話もしたりで。

まじでええんかなって思う時あるんよな。


「藤井先輩には内緒にしてます」


のんちゃんが言うから、
流星にバレたらまずいんちゃうかなって。

別に悪いことしてるわけでも何でもないねんけどな。


定時の１時間前。



外回りから戻って、
コーヒー淹れてたら、
スマホが鳴った。

のんちゃんからや。


小瀧望神ちゃん、今日の夜、空いてる?
俺、もう撮影終わってん。部屋行ってもいい?


神山智洋ええよ。20時には家におると思う。


送信押したとこで誰か入って来てさ。


流星か思て、
ビクッとなって、
慌てて、携帯、オフにして、背中に隠す。


「とも、俺に隠し事？」


入って来たんは、だいやった。


「違うって」


「めっちゃ慌てたやん」

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