夏の魔法３

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翌朝、目が覚めたら、
だいはもうスーツに着替えて、
出勤する直前やった。


「とも。起こしてもうた？
ごめんな」


「ううん。
朝ごはん作られへんかった。
ごめん」


「ええよ。
とも。朝弱いねんから。
せや、今日、なんか予定あるん？」


「特ににゃい・・・」


「猫ちゃんのとも。可愛え」


「猫ちゃんちゃう。
だい、今日も、」


会える？


たった３文字やのに、よう聞かん。


毎日会いたいなんて、重いやろ？


けど、寂しいねん。


俺、おかしなってしもた。


仕事があれば、
一人で平気やった、はずやのに・・・


だい、腕時計、確かめてる。

時間ないねや。


「とも、行ってくるな。
寂しいけど、
仕事終わるまで待っといて？
外で待ち合わせする？」


今日も会えるんや。

嬉しいて、自然とにこにこしてしもてたかも。


「夜ご飯、作っとく。
だい、はよ帰って来て」


「うわ、楽しみや！
めっちゃ仕事頑張れるわ！」


ベッドを出たら、

だいが俺の腕、
自分の腰に回して。

そんまま、くっついて廊下を歩いて。

玄関までお見送り。


「だい、行ってらっしゃい」


「行って来ます」


最後にぎゅってされて、
行って来ますのキスも。


うわ。

カップルっぼい、なんて、思ってた・・・









二人分の洗濯物。

二人分の食材の買い出し。


それがこんな、楽しいなんて。


遠足前の子供みたいに、
うきうきしてもうとるし。


冷静に考えてな、

何も改まって考えんでも、

俺、誰とも付き合うた事ないに等しいわけで。


色々、
対応とか、
やり方とか、

間違えてたりするんかもしれへん。


だいは、何人、彼女おったんかな。

男と付き合うた経験もあんの？


怖て聞かれへんかった。


あんな手慣れてるねんから、
そら、何人かはおったに決まってるよな。


高校の時は草食代表やったくせに。


今も、普段の時はそんな感じやのに、

そういう場面なると、
急にスイッチ入ったみたいに、
男に変わるねんもん・・・


思い出して、
スーパーで赤なるとか。

俺、だいぶ、ヤバイやつや。


ひゃあってなりながら、
うちまでダッシュ。

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