三 ペンダント ページ5
一体全体どのような感情が私をそう言わせたのだろうか。
だが、言ってしまったことは仕方がない。
私は少女をボロボロに劣化している自分の部屋まで案内した。
「あの、わざわざありがとうございます。」
「いいからそこにでも座って。居心地悪いかもだけど。」
どうも、と言って少女はちゃぶ台に向かって正座をするが、すぐに居心地悪そうに座りなおした。
ふと、あることが頭に浮かぶ。
「君、どうせ龍狩りなんでしょ。またさっきみたいに任務命令が出たらどうするの。」
「あ、さっきのは任務命令じゃないんです。たまたま路地前を通りかかったら、貴方の声が聞こえてきたので。」
「そう。そう言えばついさっき、龍が嫌いなのはなぜかって聞いてきたよね。」
「ええ、はい。」
「どうしてそんなこと聞くの?君は龍が好きなの?」
「え、いえ。好きではありませんけど。嫌いにはなれないです。」
意味深な口調で彼女は言う。
「よく嫌いじゃないものなんて斬れるね。」
私がさっきの龍が詰められている彼女の袋に目をやると、仕事ですから。と寂しそうに微笑んだ。
「龍狩りは報酬が高いから?」
と私が試すように聞くと
「ええ、まあ。」
と、さっきと同じようなどこか寂しげな返事が返ってきた。
この少女も自分なりに、心の中で龍以外の何かと戦っているのかもしれない。
「あ、話が逸れたね。これについて何か聞きたいことでもあるんだっけ?」
私がいつもお守り代わりのように肌身離さず持ち歩いているペンダントを彼女の前に差し出した。
「どこか見覚えでも?」
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夏巻(プロフ) - ぬーん|´-`)vさん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けて、とても嬉しいです!!ぬーんさんの期待にこたえられるようにこれからも頑張らせていただきます! (2020年7月29日 8時) (レス) id: 224dfaba1e (このIDを非表示/違反報告)
ぬーん|´-`)v(プロフ) - コメント失礼します!とっても面白いです…!!文学青二才だなんて、全然そんな事ないです!視点の移り変わりもちゃんと分かりますし、文章もしっかりしていて凄いと思いました。更新楽しみにしてますので、作者さんのペースで頑張ってください! (2020年7月28日 22時) (レス) id: 866fa73fd5 (このIDを非表示/違反報告)
夏巻(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます!続きも頑張ります! (2020年6月29日 5時) (レス) id: 224dfaba1e (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 凄く面白かったです!続きが楽しみです! (2020年6月28日 20時) (レス) id: 81088dc977 (このIDを非表示/違反報告)
夏巻(プロフ) - uikisさん» わああ!応援ありがとうございます!是非とも頑張らせて頂きますね! (2020年6月27日 12時) (レス) id: 224dfaba1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏巻 | 作成日時:2020年6月21日 16時