十七 ナイフ職人 ページ20
遊馬さんの指差した方向を見ると
なるほど、彼の言う通り鮮やかなオレンジ色の髪をした少年が仕事机に向かっていた。
「あの…すみません。ちょっとよろしいでしょうか？」
「ん？ああ、新しい団員…？」
「はい。本日入団させて頂いた、東雲吹雪です。
貴方はナイフ職人の方でしょうか？」
「おう、吹雪だな。俺は龍門寺アスタ。
一応ナイフ職人も兼業の龍狩りだ。よろしく。」
「あの、これ暁さんが渡しておいてと…」
「君の武器に関するメモだな。
それにしても細かいなぁ、梨沙子は。」
細かい文字がびっしりと敷き詰められた紙切れ一枚を見つめ、アスタは目を細くした。
「あ、そういえば吹雪は何歳なんだ？」
「え…？」
突然の馴れ馴れしい質問に少し驚いたが、そんな様子は微塵も見せまいと思い、淡々と答える。
「16ですが、それが何か？」
「16かぁ。俺は今年で19。老けてるってのはよく言われるんだけど。」
と、朗らかに嫌味のない顔で笑う。
「それじゃあ、ナイフのデザインから考えるかな。
ゴムや鉄のアレルギーはない？
ナイフを扱う人は中々個性的な人が多いからさ。
体が小さいと大太刀も持てないし。
仕方がないから遠距離派。って子もいるんだよ。因みに俺もその一人。
やっぱり龍牙みたいな奴には敵わねぇよな。」
「龍牙？」
スラスラと専門的な話を流していく彼の話をなんとか汲み取り、気になった名前が出てきたので静かに質問した。
「うん。辰巳龍牙。ここの所属団員ではないらしいんだが、よく梨沙子を手伝いに来る一流の剣士だ。
五天王の中でもズバ抜けて強いんだとかな。」
「五天王…この団にも中々多いんですね。」
「梨沙子を慕う奴は多いからな。暁は5人中龍牙を含めて2人いる。」
「那月さんにならさっき会いました。」
「那月つったら年下だろ？彼奴は生意気だが、考えてることは中々のもんなんだよな。ん。喋ってるうちに構造が完成したぜ。見てみろよ。」
そう言うと、アスタは自慢げに大きくナイフの構造が描かれた厚紙を私に向けてきた。
「わぁ」
「反応薄いな」
苦笑いした彼の手元に返した厚紙にはなんとも細かく美しいナイフのデッサンが描かれていた。
短時間でこれほどとは、プロ並みだろう。
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夏巻(プロフ) - ぬーん|´-`)vさん» コメントありがとうございます！そんなこと言って頂けて、とても嬉しいです！！ぬーんさんの期待にこたえられるようにこれからも頑張らせていただきます！ (2020年7月29日 8時) (
レス) id: 224dfaba1e (このIDを非表示/違反報告)
ぬーん|´-`)v(プロフ) - コメント失礼します！とっても面白いです…！！文学青二才だなんて、全然そんな事ないです！視点の移り変わりもちゃんと分かりますし、文章もしっかりしていて凄いと思いました。更新楽しみにしてますので、作者さんのペースで頑張ってください！ (2020年7月28日 22時) (レス) id: 866fa73fd5 (このIDを非表示/違反報告)
夏巻(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます！続きも頑張ります！ (2020年6月29日 5時) (レス) id: 224dfaba1e (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 凄く面白かったです！続きが楽しみです！ (2020年6月28日 20時) (レス) id: 81088dc977 (このIDを非表示/違反報告)
夏巻(プロフ) - uikisさん» わああ！応援ありがとうございます！是非とも頑張らせて頂きますね！ (2020年6月27日 12時) (レス) id: 224dfaba1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏巻 | 作成日時：2020年6月21日 16時
