☆龍殺しの少女【オリジナルファンタジー】

十六　暁武器工房 ページ19

2人の後を付いてビルの中に入ると、そこには真下を見下ろすことができないほど長い螺旋階段があった。

「行くよ！」

そう言うと、初めて見る光景にやや戸惑っている吹雪を置いて龍狩りの少女二人は軽々と階段を駆け下りて行った。

数分して驚くほどの長さの階段を降り切ると、聖羅が鉄色をした大きな扉を押し開けた。

「お邪魔しまーす！」

「お、聖羅ちゃんいらっしゃい。
那月ちゃんと…」

「新入団員の東雲です。」

「東雲さんだね！」

中に入ると、古びた手ぬぐいを被った四十代半ばの男性がにこやかに少女たちを出迎えてくれた。

「俺は遊馬(あすま)栄元(えいげん)だ。
ここの工房長を務めさせてもらってる。
梨沙子ちゃんのことは昔から知っててね…」

「遊馬さん、自己紹介は後でいいから私の新しい刀合わせ済ませて。」

「はいはい。那月ちゃんは相変わらずせっかちだね。
今行きますよーっと。」

「あっ遊馬さん。これ、私の武器について暁さんがとって下さったメモです…」

「おっけーおっけー。東雲さんはナイフ系だね！
そう言えば投げナイフタイプの子は久しぶりだな。
向こうにいるミカン頭がナイフ担当だから、あいつにこのメモを渡しといてくれる？」

「はい。ありがとうございます。」

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