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何か無礼を働いてしまっただろうかと、さっきの自分の言葉を頭の中で再生しようとして、…途中でやめた。声色は咎めている様子ではなく、信じられないことを目前としてただ独り言のように呟いているような、そんな様子だった───根拠もないけれどそう感じたのだ。
だが。仙人を訪ねようと思ったことも仙人に願おうと思ったことも、すべて等しく皆無…つまり、私と彼の間に一切面識は無いのである。だから彼が何に対して驚いているのかは必然として分からない。
旅人やパイモンは声に気付いたものの、言葉そのものは聞こえていなかったようで、その
旅人は首を傾げながらも「これを見てほしい」と例の札を仙人に差し出す。「“禁忌滅却の札”…」と何事もなかったかのようにそれを見つめた。
「これは久しぶりに見たな。俗世の人の手にまだ残っておったか…」
「我は三眼五顕仙人、削月築陽真君だ。旅人よ、なぜこの地を訪れた？」
“良い印象作戦”が功を成した様子…一応話は聞き入れてもらえそうだ。仙人がなぜ私の名を呼んだのかは気になるが、ここはあまり食い付かない方が賢明であろう。
「実は」とパイモンが話を始める。
「いつもの…ほら、迎仙儀式ってのがあるだろ？」まずは例年通りの迎仙儀式のことを前置きとして言い、それから…少しパイモンが言いにくそうな表情を見せる。それもそうか、いざ岩神に忠誠を誓う仙人を前にすれば、私でもあの事件のことは話しにくく感じるだろう。
口籠った彼女に代わり、旅人が意を決して口を開いた。───かと思えば、聞こえてきたのは旅人の声ではなく───絶雲の間の静かで厳格な雰囲気には合わない、怒声のような大声だった。
「犯人がいたぞ！」
声の方へ振り向くと、二十人程度の千岩軍がすぐそこまで迫っていた。「隊長、これ以上“絶雲の間”には入れませんよ…」その兵士は璃月人として守るべき境界線は理解していたようだったが、隊長と呼ばれた男は最優先は犯人を捕らえることだと言って仕方ないを唱える。
仙人がいるということは私や旅人の影で見えていないのかもしれないけれど、私の頭に浮かんできたのは愚者の二文字。仮にも千岩軍、民を守るという使命を同様に持ち、成し得ている仙人への敬意は…一体どこへやら？
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もゆ(プロフ) - 2024になった今でも、ずっと楽しみにしています。 (1月6日 2時) (
レス) id: 72eec337ed (このIDを非表示/違反報告)
gtuysut5843…(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2022年8月30日 0時) (レス) @page45 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
なつおと(プロフ) - 夢さん» コメントありがとうございます。そういって頂けるととても励みになります！一定間隔空けての更新となりますが、素敵な内容をお届けできるよう頑張りますね。 (2022年4月5日 21時) (レス) id: 10e597e23d (このIDを非表示/違反報告)
夢 - 小説めちゃくちゃ面白くて大好きです！続きがとても気になります！更新頑張ってください！ (2022年4月4日 18時) (レス) id: 5b6bab53ae (このIDを非表示/違反報告)
なつおと(プロフ) - ルリさん» コメントありがとうございます。感嘆符の数だけ気持ちが伝わってきていて私も嬉しいです。これからも更新頑張らせて頂きますね！ (2022年2月20日 21時) (レス) id: d342b4dd7b (このIDを非表示/違反報告)
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