05.まずは互いを知ることから ページ23
私を映した、湯呑みの中の水面がゆらりゆらりと揺れている。
淑女様の話を聞き終えた後。魂がすっかり抜けかけていた私は、それはもう幽霊の如くして重心の落ち着かない、ふらふらとした歩みで一歩一歩を踏み出していた。そして北国銀行近くの
そう、1分だ。1分間私の頭をぐるぐると駆け巡っていたのは、ひたすらに淑女様の言葉ばかり。岩神は生きていて、その死は紛れもない偽装で、すべて本人の計画で、それに氷神は協力していて、対価として神の心をもらう…
神の心と同等の価値があるものが契約に使われているはずなのだから、協力という条件だけでこれだけこちらに良い提案になっているのが気になるが…おそらく大半は事実だろう、かたく女皇に忠誠を誓う淑女様が簡単に彼女の名を出すとは思えない。
…でも。だからって簡単にこの話を受け入れられはしなかった。
もちろん信じてはいるんだ。ただ頭の中がこんがらがって、整理が追いついていないだけで…
はぁ、と今日何度目かすら分からないため息を下に向かって吐いた。公子様を利用するって、どういうこと?淑女様の話から岩神の目的はなんとなく理解したけど、その方法が気がかりだ。公子様と旅人を利用して、一体どんなことをするつもりなのだろう?
少なくとも、既に神の死は確立されており、計画は始まりを迎えている。あれだけ圧をかけ脅されたわけだ、選択肢は一つ。何がなんでもやってやる。
……と言っても、具体的に何をすれば良いのかはサッパリだ。計画のサポートとだけ言われてもピンと来ないし、どう“計画”を進めるかすら教えてもらっていない。まったく、公子様や旅人を利用するとはどういう…あれ、話が堂々巡りして…?
風神に会って戦って、
「───あっ、こんなところにいたのか!お〜い空、こっちにいたぞ〜!」
.
1041人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「原神」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もゆ(プロフ) - 2024になった今でも、ずっと楽しみにしています。 (1月6日 2時) (レス) id: 72eec337ed (このIDを非表示/違反報告)
gtuysut5843…(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2022年8月30日 0時) (レス) @page45 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
なつおと(プロフ) - 夢さん» コメントありがとうございます。そういって頂けるととても励みになります!一定間隔空けての更新となりますが、素敵な内容をお届けできるよう頑張りますね。 (2022年4月5日 21時) (レス) id: 10e597e23d (このIDを非表示/違反報告)
夢 - 小説めちゃくちゃ面白くて大好きです!続きがとても気になります!更新頑張ってください! (2022年4月4日 18時) (レス) id: 5b6bab53ae (このIDを非表示/違反報告)
なつおと(プロフ) - ルリさん» コメントありがとうございます。感嘆符の数だけ気持ちが伝わってきていて私も嬉しいです。これからも更新頑張らせて頂きますね! (2022年2月20日 21時) (レス) id: d342b4dd7b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ