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「Aさん、俺の事好き過ぎなんだよなぁ」
「馬鹿にしてる？」
「してねぇよ。寧ろありがたい。三年目に突入しそうなこの時期でも、そんだけ好いてくれてんのは」
成る程、そろそろ世間一般で言う倦怠期の代表の頃合いに差し掛かる訳だ。倦怠期と言うか、色々と落ち着いてきたのは随分前のように感じるけれど、愛情自体の増減にはあまり変化が無いような気はする。ただ、だからと言ってこんなに余裕ぶった様子を見せられると、少しは反発したくなってしまうのが人間の性というものだ。
「どうする？ 私が突然、拓司くんに飽きちゃったら」
出来得る限りの小悪魔的な目線を意識して、やや意地悪な口調で言ってみる。しかし彼はまるで気にしていないという表情で、
「まあ、俺に飽きても『伊沢くん』の事はまだしばらく好きでしょ」
と言った。恋人と推しが同一人物であるが故に、『拓司くん』と『伊沢くん』を使い分ける私の事をよく分かっている。私が『彼』に対して飽きるなんて、当分先まで無いであろう事もしっかり見透かして。
「う……、うーん……、そりゃまあそうなんだけど……」
「じゃあ大丈夫だろ」
ついさっき、彼を手のひらで転がすような余裕を見せたいなんて言ったばかりなのに、結局こちらが転がされてしまっている気がする。年明け早々、どうにも幸先がよろしくないようだ。困ったように唇を尖らせると、
「Aさん、負けた、って顔してる」
ケラケラと笑う彼にグイと抱き寄せられる。考えている事が顔に出易いとよく言われるが、今もそうだったらしい。
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奈都(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます。それぞれの気持ちに寄り添って書いてきたつもりではあるので、感情移入して頂けているととても嬉しいです。やっぱり最終的にはきっちりゴールインしてほしい…！と思いつつ亀の歩みですが、これからも見守って頂けると幸いです。 (2021年10月1日 22時) (
レス) id: 1ea9b7d420 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 更新に歓喜です‼︎Gravityから読ませていただいている側としては感情移入しすぎて、若干泣きそうになりましたが、結婚考えてくれてたんだとホッとしました(笑)何度読み返してもキュンとできる奈都さんの小説、、私の元気のもとです！ (2021年9月26日 2時) (レス) @page31 id: 1f7bb03b81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奈都
| 作成日時：2021年1月31日 13時
