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万年ペーパードライバーだった彼がその呼び名を返上したのは、半年ほど前の事だった。番組ロケで運転をする事になり、その練習をした辺りから、少しずつ自分でも運転をするようになっていった。
ついこの間も、私が有休を取った日に合わせて彼も休みを取り、彼の運転で小旅行に出掛けたぐらいだ。年明け早々、フワちゃんと一緒にヒロミさんの別荘へ行くらしく、高速の練習をしておきたいとの事だった。今度もオープンカーをレンタルするのかどうかは聞いていないが、流石に真冬ではオープンカーにするメリットもあまり無いし、普通の乗用車を借りるのだろうか。
「Aさんの車借りてばっかなのも悪いし」
「それは別にいいんだけど……まあでも、拓司くんも運転するようになるなら、自分の車あった方がいいよね」
「うん。あとAさんの車やっぱ軽だし、もうちょい荷物詰めるやつがあった方がいいかなって」
そんなに大きな買い物をする訳ではないのだが、軽自動車ではやはり手狭感は否めない。色々踏まえて自分の車を購入した方がいいと判断したのだろう。下手に私の軽自動車のサイズ感に慣れる前に、新しく買ってしまった方がいいかも知れない。
「あとは、仕事の目標はまあ特に変わらずだし……ああ、身近な目標で言ったらMegalomaniaでの好成績かな」
今月には鶴崎くんと水上くんが主催のクイズ大会が開かれる。前回もそこそこ好成績を納めた彼だが、今回は前回以上の好成績を狙っているらしい。
クイズが強くなりたいという彼の目標はずっと変わっていない。仕事が忙しくてなかなかクイズに割く時間が無いのが現状ではあるが、その中でも勉強する時間を少しずつ取り、僅かでも確実に一歩一歩前へ進めるようにしているようだ。
「一週間後だもんね」
「そうだよ。……Aさんは？」
逆にこちらの抱負を振られる。すっかり冷めてしまったデカフェの紅茶を一口啜ってから、少し勿体ぶるように軽く髪をかき上げた。
「うーん。私も今年は三十路になりますので」
「おお、いよいよ」
「そうだよ。だから大人の女としてステップアップしたいなぁとはね、思ってますよ」
「具体的には？」
「いや、あんまり具体的にどうとか考えてないけど」
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奈都(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます。それぞれの気持ちに寄り添って書いてきたつもりではあるので、感情移入して頂けているととても嬉しいです。やっぱり最終的にはきっちりゴールインしてほしい…！と思いつつ亀の歩みですが、これからも見守って頂けると幸いです。 (2021年10月1日 22時) (
レス) id: 1ea9b7d420 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 更新に歓喜です‼︎Gravityから読ませていただいている側としては感情移入しすぎて、若干泣きそうになりましたが、結婚考えてくれてたんだとホッとしました(笑)何度読み返してもキュンとできる奈都さんの小説、、私の元気のもとです！ (2021年9月26日 2時) (レス) @page31 id: 1f7bb03b81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奈都
| 作成日時：2021年1月31日 13時
